「どいつもこいつも責任逃れ」衆院3補選「全敗」の自民党、選挙責任者「不問」で指摘される「地獄の入り口」
「予想されていたとはいえ、4月28日に投開票された衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙で自民党は事実上の“全敗”をしました。東京15区と長崎3区は自民党が候補者を出しませんでしたが、島根1区は立憲民主党とガチンコ勝負。しかも島根は、竹下登元首相、青木幹雄元参院幹事長、細田博之前衆院議長など、重鎮を輩出した保守王国。さらに今回は、細田前議長の弔い選挙でしたから、敗北のショックは大きいですね」(政治担当記者) 自民党幹部は「島根だけは落とせない」(自民党職員)と、総力戦の構えだった。 「岸田文雄首相は4月21日と27日に島根入りをしました。首相が2回も応援に入るのは異例です。ほかにも茂木敏充幹事長、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相、小渕優子選挙対策委員長など、幹部が続々と島根入りしました」(政治ジャーナリスト) 4月29日の朝日新聞デジタルは、岸田首相が島根県内の支援者に悲壮な「直電」をしたことを報じている。しかし、結果は立憲民主党の亀井亜紀子氏に、投票締め切り時間の「20時00分」に当確が出るという、屈辱の敗北を喫したのである。 3戦全敗を受けて、茂木幹事長は「逆風が強かった。厳しい結果を重く受け止め、不断の改革努力を重ね、国民の信頼を回復できるように努めていきたい」と語り、小渕選対委員長も「責任の重さを誰よりも痛感している」と、それぞれ記者団に語ったが、「党内からは責任論を問う声が出始めている」(前出・政治担当記者)という。しかし岸田首相は、自身はもちろん、選挙責任者である茂木幹事長、小渕選対委員長の責任も不問にするようだ。 「党内に波風が立つことで『岸田下ろし』が本格化することを避けているのです」(前出・自民党職員) これにSNSでは《責任を痛感するのは得意なんだ、責任は取らないけど》《どいつもこいつも責任逃れの自民党》《茂木幹事長・小渕優子は辞任すべき》の意見であふれていた。 「2月4日に投開票された群馬県前橋市長選も、無所属新人で立憲民主党など野党が支援した小川晶氏が、自民と公明が推薦した現職市長を破って当選しました。群馬県は小渕氏のお膝元で、自民党群馬県支部連合会長も務めています。相次ぐ敗戦に自民党内からも『総選挙は小渕さんで大丈夫なのか?』という声があがっています」(永田町関係者) SNSには、補選の結果について《自民党にとっては『地獄の入り口』でしかないと思います》という、自民党議員が耳をふさぎたくなるようなコメントもあがっていた。「なあなあ体質」が、いまの自民党にはびこっているようだ。
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