出世して年収が上がっても、労働時間が増えるってどうなのでしょうか？ 自分の生活を大切にしたいです。

役職がつくなど、昇格にともなって年収が上がっていくのは一般的なことです。少しでも経済的な余裕を持つために、出世を考える人もいるでしょう。しかし、管理職になれば労働時間も増え、責任も重くなります。 今回は、年収が高い場合と自由時間が多い場合ではどちらがよいのか考えます。

役職者と非役職者の年収はどれくらい差が出る？

役職者と非役職者の年収はどれくらい違うのか、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」から「役職別にみた賃金」を見ていきましょう。まずは、男女合わせた全体の平均です。部長級の給与は58万6200円、課長級の給与は48万6900円、係長級の給与は36万9000円となっています。対して、非役職者の平均給与は28万1600円です。 男性だけで見ると、部長級の給与は平均59万3100円、課長級は49万5600円、係長級は37万9100円という結果が出ています。そして、男性の非役職者の平均給与は30万1000円です。では、女性の場合はどうでしょうか。女性の平均給与は部長級で52万100円、課長級で43万5000円、係長級で33万7600円、非役職者の場合は25万3200円です。 全体の平均で比べてみると、もっとも給与が高い部長級と非役職者では30万円程度も差があります。年収にすると360万円ほど差がつきます。役職者としてはもっとも給与が低い係長級でも、非役職者との差は8万7000円ほどです。こちらは、年収に換算すると104万円ほどの差が出ることになります。

出世だけが高収入を得る方法というわけではない

役職が上がっていけば、年収も上がっていくのは一般的なことです。しかし、必ずしも出世だけが高収入を実現する手段ではありません。自分の才能を生かして高収入につなげていく人もいます。短時間で効率よく収益をあげられる職種に就けば、労働時間を増やすことなく余裕のある暮らしをすることは可能です。例えば、副業でストック収入（不労所得）を得るのもよいでしょう。

何を幸せと感じるかは人それぞれに違う

出世することや、高収入を得ることだけがよいということではありません。もちろん、暮らしていくための経済力は必要ですが、価値観は人それぞれ違いますし、どの程度の生活水準で満たされるかも個人差が出ます。 生活自体は質素なものでも、自分の趣味に時間を費やすことに生きがいを感じる人もいます。自由気ままに旅行をするのが好きという人もいるでしょう。家族との時間を充実させることも、人生において価値のある大切なことです。一方、出世や成功に喜びを感じる人もいます。理想の生活水準や幸せを感じるポイントは、誰もが同じではありません。

他人の価値観を気にする必要はない

出世するのはよいことではありますが、現在はさまざまな価値観があります。。生活に困らない収入を得ているなら、自由時間を大切にするというのも一つの選択ではないでしょうか。 出典 厚生労働省 令和年賃金構造基本統計調査 役職別にみた賃金 執筆者：FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー