齋藤彰俊、引退試合の丸藤戦を控え直前の想いを語る「最後のリングを降りる瞬間まで、上を見て前進して戦っていきたい」
丸藤「自分の人生の中で最初で最後、三沢さんを背負って齋藤さんと戦いたい」
プロレスリング・ノアが11月17日、名古屋ドルフィンズアリーナで開催する「齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny」を前に記者会見が行われ、齋藤彰俊と対戦相手の丸藤正道が登壇。齋藤は、ファンからの横断幕贈呈に「たくさんのメッセージありがとうございます。これを17日当日までしっかり目と心に焼きつけてリングに上がりたいと思います」と感謝を述べた。 【動画】11.17(日) 愛知・ドルフィンズアリーナ 直前記者会見&調印式『齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny』 ▼第8試合・齋藤彰俊引退試合 ~Akitoshi Saito Ridge Road Final~/シングルマッチ 齋藤彰俊 vs 丸藤正道 引退試合に臨む齋藤は「自分自身は最後のリングを降りる瞬間まで、齋藤彰俊らしく上を見て前進して戦っていきたい」と意気込みを語り、この試合を「自分が登りつめた尾根(リッジロード)」と表現。試合に向けて「NOAHのリングで、最高の形でファンに最後の姿を見せたい」と決意を固めた。 対戦相手の丸藤も「この試合はタイトルマッチとも異なり、齋藤彰俊という一人のレスラーの幕引きとなる。深く重く、この試合に臨む」と話し、特別な意義をもつ一戦への覚悟を示した。齋藤はまた、プロレス人生で受けた影響について語り、三沢光晴の存在が常にあったことに触れた。NOAHでの歩みが始まった相手が丸藤であり、締めくくる相手も丸藤であることが「運命的」と表現。「この試合を通して三沢さんの背中も感じられる」と語り、感慨深げに思いを述べた。 丸藤は「三沢さんの話は普段あまりしないが、今日は違う。齋藤さんとの試合は三沢さんを背負って挑む」と宣言し、「2対1で臨む気持ち」と意気込みを見せた。それを聞いた齋藤は「NOAHのリングで三沢さん、丸藤選手と共に最期を迎えられるなんて、こんな幸せはない」と、目に涙を浮かべながらも強い決意をにじませた。 この特別な引退試合を前に、齋藤は「リングっていうのは人生だと思ってますので。自分の中で最後のリングは、もう走馬灯のようにプロレスラーとして生まれてからリングを降りるまでのすべてを感じてもらえればと思ってます」と、ファンに向けて熱いメッセージを残した。 『齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny』 日程:2024年11月17日(日)開始 15:00/開場 14:00 会場:愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館) 【会見全文】 ※ファンのメッセージ入り横断幕贈呈 齋藤「皆さん、たくさんのメッセージありがとうございます。これを17日当日までしっかり目と心に焼きつけてリングに上がりたいと思います。ありがとうございました」 丸藤「この試合に関して、普段の試合と違います。タイトルマッチとも違う。一人の齋藤彰俊というプロレスラーの幕引き。深く、重く、そして大切にこの試合に臨みたいと思います」 齋藤「いよいよこの日がすぐそこまで来ましたけど、対戦相手は自分自身にとって、この上なく大切な選手が目の前に立っていただけるので、自分自身は最後のリングを降りる瞬間まで、齋藤彰俊らしく上を見て前進して戦っていきたいと思います」 ――引退へ向けたRidge Roadを振り返って? 齋藤「振り返ってっていうか、引退を発表してから…もちろんプロレスに入った時もNOAHに来た時も正面を見て目も心もギラギラさせて目標に向かって進み、中に入っていろいろ揉まれながら勉強し、最後はやはり尾根というか山の瀬を登って立ち去る背中を皆さんに見せることがやはり自分の宿命なのではないのかなと思いまして、Ridge Roadという名前を付けさせていただきました」 ――引退直前になって心持ちも変わってきた? 齋藤「10月のときはまだあるなと思ったんですけど、11月に入ったらかなり早くなったんですけど。気持ち自体は全く変わらず、とにかくゴールのテープを切るまで…いつも言ってますけどね。100m走の選手と同じように、ゴールのテープは全力で走って切らなければ、やはり充実感も何もないので。そこまでは変わらず進んでいるという状況です」 ――最後の相手に丸藤選手を指名した時「三沢さんを感じる」と発言していたが、丸藤選手の先に三沢さんを感じながら戦いたい気持ちがある? 齋藤「自分自身にとって丸藤選手というのは一番最初に愛知県体育館、今のドルフィンズアリーナですよね。にテスト参戦で上がったときに前に立ちはだかってくれた選手ですし。まずNOAHでの歴史は丸藤選手から始まりました。次、戦力外通告というか受けたときに三沢さんから教わったのはこういうことだっていう。シングルで戦ったあとに『NOAHで一緒にやりましょう』と声をかけてくれたのも丸藤選手でした。自分自身の中で今、三沢さんの付き人であったり、常に一緒にいた中で、NOAHのリングで現役で上がっているのは丸藤選手だけなのかなと。しかも脳裏に焼き付いて離れないんですけど、三沢さんと丸藤選手がシングルをやったときに、三沢さん勝利したんですけど、おぶって花道を帰ったのがどうしても頭から離れないですし。これは三沢さんから直接聞いたんですが、『丸藤は人を引きつける力があるんだ』って。そういうのも聞いていたので、三沢さんが丸藤選手をどれだけ思っていたのかというのが感じられて。34年間を振り返ってみると、点が線に繋がり、線が円になった時に、あ、俺の起承転結は、NOAHでの起承転結は丸藤選手に始まり、丸藤選手で終わるべきではないのかなと。しかもドルフィンズアリーナですからね。丸藤選手、彼の背中に三沢さんを感じるっていうのは、試合のスタイルとか、それは丸藤選手は天才でいろんなことがありますけど、三沢さんとはちょっと違う技とか、あるのかもしれないですけど、心とか信念とか、ノアの方舟という意味で遺伝子を残したんだなっていうのは感じますし。今現在、三沢さんと相対すること、正面に立っていることはできないですし、会話することもできないです。ただ、丸藤選手のその後ろというか、丸藤選手とも戦えるし、その後ろに三沢さんを丸藤選手を通して戦える最後の日なのではないかなということで、もう是が非でも最後は丸藤選手と戦いたいという気持ちでした」 ――それを聞いて率直に思うことはある? 丸藤「そうですね。今、齋藤さんの話を聞いて…あの日以来、僕はあまりリングとかコメントで三沢さんの話はしてこなかったんですけど、今の話を聞いて俺は自分の人生の中で最初で最後、三沢さんを背負って齋藤さんと戦いたいと思いました。もう小細工なしで思いきり試合をやり合いたいですね。だから2対1ですよ、齋藤さん。三沢&丸藤vs齋藤彰俊です」 ――2対1発言への返答があれば? 齋藤「本当に幸せじゃないですか。二人三脚をしてきたお二人と自分が戦えるなんて。しかもNOAHのリングで最後に戦えるなんていう、こんな幸せはないですよね。先ほど初めて三沢さんの名前を出したって言われてましたけど、自分もその心意気、それをしっかり胸に叩き込んで、全力で最後まで走り抜けます」 ――最後の試合で見ている人にどんなことを感じてもらいたい? 齋藤「リングっていうのは人生だと思ってますので。自分の中で最後のリングは、もう走馬灯のようにプロレスラーとして生まれてからリングを降りるまでのすべてを感じてもらえればと思ってます」 <写真提供:プロレスリング・ノア>
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