蝶野正洋 長年“黒のカリスマ”をプロデュースする人物に「一生頭が上がらない」
■「50代は不安の中で生きている」
蝶野さんはプロレス以外にも、日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の“笑ってはいけないシリーズ”では、月亭方正さんにビンタをする役で出演。他にもアニメ『ガールズ&パンツァー』のファンとして応援大使を務めるなど、若い世代には、“蝶野=ビンタ”、“ガルパンおじさん”などのキャラクターで幅広くその存在が知られています。 ――新たな肩書がつくような仕事にはどのような気持ちで臨んでいましたか? なにかがきっかけになる。プロレスでいうと“nWo”っていうのがあるんですけど、そのときの自分はどうなるか予測もしてなかったし、ガキ使もそうでしたよね。まったくどういう番組になっていくかなんてわからなかったし。それから子供番組に出たときも、まったくそういう反応は自分ではわからずに。ある意味チャレンジしていくという気持ちでしかなかったです。 ――今回の本のテーマでもある“肩書を失った人”たちへ、自分を光らせるためのアドバイスをお願いします。 振り返ると50代っていうのが、結構健康面も含めて俺の中で厳しい大変な時期だっていう思いがあるんですよ。たぶん今、いろいろな社会的な地位のある人たちも、先がなくなってくるというようないろんなストレスがあると思うんですけど、それってたぶん肩書とか関係なく、みんな体調であったり、不安を持っている。例えば社長クラスの人たちも、50代後半とか、50代の時ってそういう不安の中で生きてる。 次の60歳を迎えるステップ、明らかに体がもう変わってきてるんで、それに対して自分ができること。ただ、やっぱり下のやつらに教えなきゃいけないことがある。50代ってことは社会に出て30年とかね、そういうふうな人たちは、自分が経験したことをどこにも伝えずにフェードアウトするんじゃなくて、後ろにいるやつらに少しでも自分たちの経験を伝えていくことが役割だと思いますね。