貯蓄「500万円」です。定期預金の金利が上がっていると聞きましたが、利子は1年で「100円」程度にしかなりませんよね? それでも定期預金を利用したほうが良いですか?
三菱UFJ銀行など、大手メガバンクが定期預金の金利を引き上げました。それに伴い、地銀でも定期預金の金利を引き上げる動きが相次いでいます。 そのため、これから定期預金を利用したほうがよいのか気になっている人もいるかもしれませんが、実は金利が上昇しても定期預金を利用するメリットはほとんどありません。本記事では、その理由について詳しく解説します。
500万円預けても、1年間で100円にしかならない
まず、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンクで定期預金(スーパー定期)に預金した場合を考えてみましょう。なお、金利は2023年12月現在のもので計算します。 500万円を預金した場合の金利は、1年だと0.002%、5年で0.070%(みずほ銀行のみ0.075%)、10年で0.200%です。言い換えれば、500万円預けても利子は1年間で100円にしかならない計算です。税金を考慮するとさらに利益は減少します。 一方で、預金している銀行のATMの時間外手数料はおよそ110円かかります。つまり、1度でも時間外でATMからお金を引き出してしまえば、利子で得た分はなくなってしまいます。
資産を減らさないためなら定期預金は有効か?
もしかすると、資産を絶対に減らしたくないから銀行に預けておきたいと考える人もいるかもしれません。それでは、その安全性を国債と比較してみるとどうでしょうか。 個人向け国債は発行後1年間経過すれば中途換金も可能で、元本も保証されるため(ただし、中途換金は直前2回分の利子が差し引かれるペナルティーあり)、安全性と流動性のどちらをとっても銀行の定期預金とほぼ変わりません。 個人向け国債には3年、5年、10年の満期期間の商品があります。10年物だけ金利が変動するタイプですが、2023年12月の発行条件は図表1のとおり、およそ利率0.05%~0.46%となっており、安全性が銀行預金と変わらない一方で、利率は圧倒的に定期預金よりも優れていることがわかります。 なお利率は基準金利により上下しますが、下限はいずれも0.05%が保障されています。 図表1