19日は「桜桃忌」 太宰治の生誕115年、生家・斜陽館でイベント 青森・五所川原市金木町
青森県五所川原市金木町出身の作家・太宰治をしのぶ「桜桃忌」の19日、同地区の斜陽館で、生誕115年を祝うイベント「太宰文学講演会・朗読会・歌留多(かるた)大会」が開かれた。地元の児童や市内外から訪れたファンらが朗読や講演などを通じ、地元を愛した文豪の人柄に思いをはせていた。 イベントは市教育委員会が主催。2022年まで同地区の芦野公園で生誕祭や顕彰事業を行っていたが、昨年から太宰の生家である斜陽館に会場を移した。 イベントには金木小学校5年生30人らが参加。地元のお話サークルによる朗読に耳を傾けた後、同館の米蔵前に設けられた祝花台に花をささげた。児童たちは3グループに分かれて、太宰歌留多に挑戦。「津軽」「故郷」などの小説の一節が読み上げられると、素早く取り札を取っていた。 3年生の時に太宰について調べる授業があったという三戸咲希さん(10)は「一番売れている本を読んでみたい」と太宰に関心を持った様子だった。 太宰ファンで弘前大学農学生命科学部4年の荒川莉穂さん(22)=さいたま市出身=の講演では、太宰の人柄の魅力について紹介。青森に住み、雪深さに驚いたというが「太宰の性格はこの雪深さからきているのかな」と想像を膨らませていた。 太宰治像が立つ芦野公園では像を撮影する人も。「津軽」を読書中の李鴻欣(リーコウキン)さん(27)=青森市在住=は物語の舞台を見てみようと、五所川原市金木町を訪ねたといい、同地区を回り「太宰は多くの人に愛されていると感じた」と笑顔で語った。