巨人・ヘルナンデス、ポール際4号2ラン&フェンス際好捕「難しいコースに体が反応してくれた」 電車通勤の優良新助っ人がチーム鼓舞
(セ・リーグ、巨人4-3ヤクルト、11回戦、ヤクルト6勝5敗、23日、東京D)救世主ナンデス!! 巨人は23日、ヤクルト11回戦(東京ドーム)に4-3で勝利し、連敗を2で止めた。新外国人のエリエ・ヘルナンデス外野手(29)が三回にセ・リーグ球団から初となる4号2ランを放ち、中堅の守備では五回にフェンスに激突しながら飛球をジャンピングキャッチした。先発予定だった菅野智之投手(34)が腰痛を訴えて登板を回避する緊急事態の中、5月に加入した助っ人が攻守でチームを救った。 【写真】ヤクルト・山田哲人の打球を好捕し、佐々木俊輔とハイタッチする中堅手の巨人のエリエ・ヘルナンデス 大型ビジョンに映し出される映像で、打球が左翼ポールの内側を通過したことを確信したG党の大歓声が鳴り響く。リプレー検証で審判団の判定が覆ったのを見届けたヘルナンデスがバットを投げ、雄たけびを上げて走り出した。1点リードの三回に流れを引き寄せる4号2ラン。不測の事態に見舞われたチームを一振りで救った。 「(リプレー検証中も)自分の中では(スタンドに)入ったと確信していた。難しいコースに体が反応してくれた」 1死三塁でヤフーレが投じた内角高めの速球に腕を畳んで対応し、左翼ポール際に運んだ。一時はファウルとなったが、阿部監督がリクエスト。約3分後に判定が覆り、球場のボルテージは最高潮に達した。 中堅の守備でもみせた。1点差に迫られた五回1死一、二塁。山田が放った左中間への大飛球をフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。フェンスに当たったと思って飛び出した二走の村上を刺し、併殺が完成。持ち味の守備での好プレーで投手を助けた。 阿部巨人の救世主だ。開幕直前に新外国人のオドーアが2軍調整を拒否して電撃退団。代役として5月に加入した。ここまで打率・333、4本塁打、12打点。「練習は嘘をつかない」を信条に掲げる助っ人が、チームの中軸を担っている。 緊急事態だった。先発予定だった菅野が腰痛で登板を回避。不振の坂本に代わって岡本和が三塁に回り、捕手の大城卓が990日ぶりに一塁で先発した。連敗を2で止め、勝率5割に戻した指揮官は「彼の野球に対する姿勢は素晴らしい。若い選手もお手本にしてほしい」とヘルナンデスを絶賛した。通勤で使う電車で、乗車する人より降車する人を優先する日本の乗車マナーに感銘を受けたというドミニカンが、首位広島と3ゲーム差の4位につける巨人を這い上がらせる。(樋口航)