「故意を欠く」強制性交致傷の罪に問われた被告に無罪判決 合意に誤信 那覇地裁 沖縄
2022年5月、県内の自宅で酒に酔った知人女性に性的暴行を加え、全治不明の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたなどとして強制性交致傷、準強制性交致傷の罪に問われたパート職員の被告の男(49)=那覇市=の裁判員裁判判決公判で那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)は22日、無罪(求刑懲役7年)を言い渡した。 「彼女へサプライズするつもりだった」 ホテルの部屋にキャンドル並べ火事に 23歳の米兵を失火容疑で逮捕 沖縄
起訴状などによると、被告は22年5月1日未明から正午前ごろにかけて、飲酒の影響で熟睡し、抗拒不能の状態にある女性に自宅寝室で性的暴行を加えようとし、女性が目覚めた朝方に性的暴行を加えたとしている。公判では性的行為についての合意や、合意したとする誤信があったかが争点となっていた。 佐藤裁判長は判決理由で、女性が飲酒で酩酊(めいてい)し、事件後に被告に通信アプリで「同意のない性交渉はレイプと同じ」とメッセージを送信したことなどから性的行為について「同意はなかった」と指摘。一方で、女性の供述の信用性について「慎重に判断する必要がある」とも判示し、「同意していない可能性があることを認識していたとは認められず、故意を欠く」とした。 弁護人の高良誠弁護士は「中立公正な判断をいただいた」と述べ、小玉大輔次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。女性の代理人を務める河井耕治弁護士は「いわゆる『レイプ神話』にとらわれた判決で衝撃を受けている」と述べた。
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