竹田市特産のサフランについて研究し、全国大会に臨む久住高原農業高の生徒ら＝竹田市役所

　大分県竹田市久住町の久住高原農業高で市内特産のサフランについて研究する1～3年生6人が第75回日本学校農業クラブ全国大会（23、24日、岩手県）に出場する。120年ほど前から続く伝統的栽培の担い手が減り、現状を打開するため3年前から取り組んできた活動を発表する。国内産の価値を高めるため、斬新なアイデアを盛り込んだ内容となっている。 　農業の課題解決や地域振興などについて探求する科目「AAA」の一環で、生徒は2021年度から代々、サフランについて研究を続けてきた。8月の九州大会で最優秀賞に輝き、全国切符をつかんだ。 　9月中旬、メンバーのうち4人が市役所を訪れ、土居昌弘市長らに発表内容を披露した。 　市内のサフラン栽培の課題として、めしべの収穫が短期間に集中するといった負担感による新規就農者の不在、認知度不足などを指摘。これまでに取り組んだ▽企業・料理人と協力した商品開発▽めしべの収穫期を分散させるために開花時期を早くする球根保管庫の開発―などを説明した。 　国産サフランの価値向上についても検討。業務用は海外産が大半を占めているとみられる。現在は品質の劣化・変質を防ぐため、収穫後すぐに乾燥させるのが主流の中、生産者の言葉をヒントに、めしべを生の状態で利用することを思いついた。 　県内の料理人からは「水に入れた瞬間から色の出が良く、美しいオレンジ色。香りも華やか。料理の可能性が広がる」と評価された。適切な冷凍技術と包装で流通が実現できる可能性が高いという。 　日本の人口減少を踏まえ、「地域農業は危機を目の当たりにしている。私たちは地域孝行に取り組みたい」と締めくくった。 　リーダーの3年島田麻衣花さん（18）は「全国の舞台で発表し、サフランの認知度向上と地域のために貢献できれば。優勝を目指す」と話した。