パCSファイナルS＜ソ・日＞日本シリーズ進出を決め、VIVAポーズで記念撮影するソフトバンクナイン（撮影・成瀬　徹）　

　◇パCSファイナルステージ第3戦　ソフトバンク3―2日本ハム（2024年10月18日　みずほペイペイD） 　パ・リーグのクライマックスシリーズ（CS）ファイナルステージ（S）は18日、第3戦が行われ、リーグ覇者のソフトバンクが4年ぶり21度目となる日本シリーズ進出を決めた。選手会長の周東佑京内野手（28）が4回に決勝タイムリーを放ち、1勝のアドバンテージを加えて4勝0敗として突破。本拠地でのCSは10連続突破となった。20年以来12度目の頂点を目指す日本シリーズは、26日にセ・リーグ球団の本拠地で開幕する。 　4年ぶりの日本シリーズ進出を決める最後のアウトは、選手会長がつかみ取った。3―2で迎えた9回2死二塁。中堅・周東が伏見が放った飛球をグラブに収めた。「本当に気持ちいいですね。まずはホッとています」。無敗でのCSファイナルS突破。「圧倒的に勝ちたい」という開幕前の言葉が現実になった。 　決勝打を放ったのも周東だった。2―2の4回2死一、三塁。9番に入った選手会長のバットから鳴り止まない歓声が生まれた。日本ハムの先発・山崎のシュートを引きつけて流し打ち。打球は左前へ転がった。一塁に向かうまでに6度、一塁ベース上でも3度ガッツポーズ。「絶対に生かそうと。何とか1本出て良かった」と喜んだ。 　今季から選手会長の大役を担い、レギュラーシーズンでは41盗塁で自身3度目の盗塁王のタイトルを獲得。課題は打撃だった。「ショートの後ろを抜く強い打球をレフト方向に打っての出塁」。打撃コーチ陣と練習から徹底してきたスイングを、ここぞの場面で実践できた。 　左膝の故障とも闘った。9月28日の日本ハム戦で途中交代。以降の試合出場は大事を取って控えた。違和感を抱えながら練習を続けて、16日の初戦を前に全快をアピール。主力として仕事をした。小久保監督は「足が悪い中、痛みに耐えながら選手会長としてチームを引っ張ってくれた」と称えた。 　後半戦に7連敗を喫し、レギュラーシーズンで12勝12敗1分けの五分だった日本ハムを相手に3連勝し、美しきスイープ突破が決まった。次の舞台となる日本シリーズで12球団の頂点を目指す。小久保監督は「自分たちの野球をするのが一番。まずはCSの疲れを取って来週に向かう」と4年ぶりの日本一に照準を合わせた。 　ダイヤモンドを駆けめぐるスピードなら誰にも負けない周東は「一人一人やることを考え、いい状態で入るだけ」と言った。頼もしい選手会長が頂上決戦でも勝利の原動力になる。　（井上　満夫） 　○…ソフトバンクが無敗で日本シリーズ進出を決めた。日本シリーズを懸けたプレーオフ、CSの無敗突破は昨年の阪神に続き延べ16チーム目。ソフトバンクは11、15、20年に次いで4度目となった。また、小久保監督は今季が就任1年目。新人監督の日本シリーズ進出は21年中嶋聡監督（オ）以来3年ぶり。CS無敗突破は12年栗山英樹監督（日）、15年工藤公康監督（ソ）、21年中嶋監督に次いで4人目だ。