イーロン・マスクのDOGEが税申告アプリを提供か…報道でソフト会社株が大きく下落(海外)
H&Rブロックとインテュイットの株価は、政府効率化省(DOGE)が無料の確定申告アプリ提供を検討しているとの報道を受けて下落した。 バイデン政権は2022年、内国歳入庁(IRS)の確定申告の試験プログラムを導入した。 政府による確定申告書類作成サービスがインテュイットとH&Rブロックに与える影響に関して、アナリストらの意見は割れている。 税務書類作成サービスを行うH&Rブロック(H&R Block)とインテュイット(Intuit)の株価は11月19日、イーロン・マスク(Elon Musk)の政府効率化省(DOGE:ドージ)が無料の確定申告アプリの開発を検討中というワシントン・ポストの報道を受けて下落した。 H&Rブロック株は9%もの下落、インテュイット株も7%もの下落となった。インテュイットは、オンライン税務書類作成プラットフォーム、ターボタックス(TurboTax)を所有している。 報道によると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領が設立し、イーロン・マスク(Elon Musk)とビベック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)が主導する政府効率化省が、スマホ・アプリを作る計画について協議したという。 DOGEのXアカウントによる週末の投稿は、アメリカの税法がいかに複雑化しているか、また1955年以降、税法に含まれる単語数が1000%近く急増していることを強調した。 「これは簡素化されなければならない」と投稿には書かれていた。 1955年、アメリカの税法に含まれていた単語は150語以下だった。 それが現在では、1600語以上となっている。 この複雑さのせいで、アメリカ人は毎年、税金の書類作成と申告に合計65億時間を費やしているという。 H&Rブロックは、確定申告書類作成サービスによって年間40億ドル(約6212億8800万円)近い収入を得ており、一方、インテュイットは収益の3分の1(約50億ドル[約7766億980万円])が、ターボタックスのサービスによるものだ。 政府による確定申告サービスがインテュイットとH&Rブロックの株価を圧迫するのは、これが始めてではない。 バイデン(Biden)政権はインフレ抑制法(Inflation Reduction Act)の一環として、アメリカ内国歳入庁(IRS:Internal Revenue Service)の確定申告の試験プログラムを導入し、納税者が無料でオンライン申告を行うことができるようになっている。
Matthew Fox