ヤクルト・吉村貢司郎、巨人戦防御率0・00!燕の新Gキラーでリーグ戦再快幕
交流戦を終えたプロ野球は21日、セ、パ両リーグの計6試合でリーグ内の対戦が再開し、ヤクルトは巨人9回戦(東京ドーム)に4-2で競り勝った。2年目の吉村貢司郎投手(26)が自己最長となる7回⅓を投げ、4安打無失点の好投。チームトップの5勝目を挙げた。これで東京ドームでの巨人戦は初登板した5月1日から2試合で計14回⅓を無失点。社会人の東芝時代にも都市対抗大会で投げた好相性のマウンドでチームを勢い付けた。 敵地にもかかわらず、「いい思い出」が刻まれているという東京ドームがよく似合う。交流戦明けの大事な初戦を託された2年目の吉村が、八回途中無失点でチーム単独トップの5勝目。5月17日以来の白星をつかみ、ヒーローインタビューで燕党の歓声を浴びた。 「いい打線なので、丁寧に投げるっていうのはずっと意識していることだった。それが本当にうまくいったかな」 巨人のエース、戸郷に投げ勝った。今季のイニング別の失点数が最大の10だった七回は、5番・吉川、6番・坂本、7番・岸田をわずか計5球でシャットアウトした。「意識しすぎるとよくない。あえて変わらず」と淡々と臨み、〝魔の七回〟を克服した。プロ入り後初めて上った八回のマウンドでは、2四球と制球が乱れ、1死一、二塁で降板となったが、後を託された同学年の大西が抑えた。スコアボードに0を刻み、「大西が救ってくれたのがすごく大きかった」と感謝した。 昨季の巨人戦は2試合に登板し、防御率11・25。苦戦したが、今季プロ入り後初めて東京ドームの巨人戦に臨むと、2試合計14回⅓を無失点。社会人の東芝時代の都市対抗大会で計14回⅔を投げ防御率1・23と好相性の球場で躍動している。 小学生時代の野球観戦は東京ドームがほとんどだった。憧れは巨人のエースで、日米通算134勝128セーブ、104ホールドを挙げた上原浩治。理由を聞いても「分からないです」と笑う。打者を次々と抑えていく背番号19に、ただただ夢中になった。伸びのある直球とフォークボールを武器に活躍したレジェンドと同じ得意球を駆使して、この日は6三振を奪った。 中日と並んで5位だが、首位広島とのゲーム差は5・5に縮まった。逆転優勝は射程内だ。「乗っていけたらうれしい」と吉村。若きエース候補が、チームの先頭に立つ。(武田千怜)