【10月12日で64歳に】エキストラにも深々とお辞儀⋯エミー賞を受賞した真田広之氏のハリウッド映画撮影現場での姿
ハンガリー、ブダペストに暮らしていた頃、真田広之さんが出演された忠臣蔵ハリウッドリメイク映画『47RONIN』に、エキストラとして参加しました。 【俳優からもスタッフからもHIROと声をかけられ……】エミー賞を受賞した真田広之氏 エミー賞受賞で思い出した、13年前のいちエキストラとして見た、真田広之さんのエピソードをいくつかお届けします。 ハンガリーでハリウッド映画撮影 実は、ハンガリーは100年以上前から変わらない美しい街並み、比較的安い人件費などもあり、ハリウッド映画撮影のメッカとなっています。 数百人規模で、日本人エキストラが必要と声が掛かり、オーディションを受け、決まったのは"Asano's castle handmaidien No.1” 、浅野家の城に仕える女中役です。 衣装合わせで、自分サイズの着物を作ってもらい、撮影当日は、朝5時半事務所に集合。大型バスに揺られ、ブダペスト郊外にある撮影スタジオへ。 エキストラとは言え、鏡の周りにライトがついたハリウッドミラーが、ずらっと並ぶメイク室で2時間近くヘアメイク。 その後は、移築されたのかと思うほど立派なお城と満開の桜が咲く撮影スタジオへ。 2011年春。日本では3.11があり、気持ちが塞ぎ込んでいた時期でもあり、まるで日本へ帰ったようなスタジオに、気持ちが明るくなったのを覚えています。 撮影初日、真田広之さんが向こうからやって来ました。エキストラ経験は皆がはじめて。さらにここはハンガリー。スタジオ内での共通言語は英語。でも、わたしたちは、日本人。 いったい何語でどうやって挨拶していいかもわからず、本物の真田広之さんを目の前に、声にならぬ声で、あわあわとうろたえるわたしたち。 すると、 「おはようございます、よろしくお願いします。」と、ゆっくり、そして深々とお辞儀をしてくださいました。 その時、頭に降りて来たのは、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。 正直、末端のただのエキストラに、ここまで謙虚な姿勢なのかと、かなり驚くとともに、その場にいた十数人の女性全員が、一瞬にしてずきゅん! ハートを射抜かれたのは、言うまでもありません。 ただ、この姿勢は、一貫していて、撮影のあらゆる場面で垣間見ることに。
小山田 エミー