テスラには、フォードやGMよりも有利な点がある(海外)
テスラは、他のどこよりも安く電気自動車を作っている。 投入原価が低いため、テスラは価格を低く設定することができている。EV市場は価格に敏感だ。 それでも、テスラの価格破壊な手法には亀裂が生じ始めている。 テスラ(Tesla)は他のどこよりも安く電気自動車を作っている。それが競争相手が数多いる市場で、イーロン・マスク(Elon Musk)の自動車メーカーが優位に立つことができる理由だ。 テスラの1台あたりの投入原価、つまり金属、ガラス、バッテリー、ホイール、タイヤなどの部品にかける金額は、平均3万ドル(約480万円)以下であることが、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)の新たな分析で分かった。 これは、テスラ以外のEVの部品コストよりも1万7000ドル(約272万円)も安く、テスラを含む業界全体の平均よりも1万ドル(約160万円)安いと同行のアナリストは見積もっている。 このようなコスト削減が、長年テスラの収益を支えてきた。業界をリードする利益率は実質的にマスクがEV市場の価格設定をコントロールすることを可能にし、それに残りの企業が追いつこうと競っている構図になっている。 テスラは利益率が下がり、売り上げが低迷するとしても、投入原価が低いため、マスクが古参の競争相手よりも有利な立場であることに変わりはない。フォード(Ford)やGMといった企業は、ガソリン車の利益が大きな頼りであり、それが将来、EVの資金となる(今のところ両社とも、EVで利益を出すことはできていない)。 投入原価は、自動車メーカーが車両本体価格を設定する際の重要な要素だ。そのため、投入原価が高ければ、必ずEVは高い買い物となり、価格に敏感なグリーン・カー市場では、テスラ以外は不利な立場に置かれることになる。 本質的に、作れば作るほどテスラよりもコストがかかることに変わりがない以上、こうした古参の自動車メーカーが、マスクとの価格戦争に勝つことはない。 これはフォードやGMのような企業にとって、特に問題だ。裕福で新し物好きな人々がEV市場からいなくなり、倹約的で実用的な買い物客が取って替わっているからだ。 それでも、テスラの価格破壊な手法には亀裂が生じ始めている。 EV業界のリーダーもついに、EVセグメントの成長の鈍化にプレッシャーを感じ始めている。今年の第1四半期には、期待外れな売上高と利益を報告することになった。 テスラは7月2日に発表した第2四半期の納車台数は44万3956台で、前年同期比で約4.7%減少したが、ウォール街の予想は上回った。
Nora Naughton