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新宿のRestaurant Bellustarで開かれたJALとサントリーのメイカーズディナーでワインを楽しむ女性参加者＝24年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

Restaurant Bellustarで開かれたJAL国際線ファーストクラスのワインを楽しむサントリーのメイカーズディナー＝24年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

Restaurant Bellustarで開かれたJALとサントリーのメイカーズディナー＝24年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　マイル会員制度の非航空系サービスを強化する日本航空（JAL/JL、9201）は、国際線ファーストクラスで提供するワインを味わってもらう「メーカーズディナー」を都内で開いた。国際線の特典航空券でビジネスクラスのホノルル片道分に相当する1人4万マイルと、参加に必要なマイル数は少なくないが、定員30人に対して100人以上の申し込みがあったという。 【写真】新宿の夜景も楽しめるJALとサントリーが開いたメイカーズディナー 　提供するワインのメインは、仏ボルドー産シャトー・ラグランジュ。1983年にサントリーが経営権を取得し、近年は国際的な評価が高まっているという。JALとサントリーは、これまでもツアーで協業することはあったものの、マイル会員向けのイベントは初めて。 　会場は昨年5月に新宿・歌舞伎町に開業したラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO（ベルスタートウキョウ）」45階のメインダイニング「Restaurant Bellustar（レストラン・ベルスター）」。運営する東急ホテルズがJALのマイルとの「ステータスマッチ」を提供していることや、開業1周年を迎えたことで選ばれた。 　JALとサントリー、東急ホテルズの3社が上級会員向けに開催した約2時間半の食事会は、どのようなものだったのだろうか。 ◆良いワインづくりは最低20年 　今回のイベントでは、サントリーのチーフエノロジストの椎名敬一氏がワインを解説。椎名氏はワイン醸造の専門家で、フランスには2004年から2020年まで駐在し、シャトー・ラグランジュの副会長を務めた。 　「通常50年ごとにブドウの木を植え替え、20年くらいかけて良いブドウに育てます」と、良いワインづくりには最低でも20年はかかるという。シャトー・ラグランジュはメドック格付け3級のシャトーだが、椎名氏によると一時は格付け困難になった時期もあったといい、サントリーが1983年に経営権取得後、時間を掛けて復活させた。 　40年のうち、前半の1984年から2003年までが「復活ステージ」、2004年から2023年までが「創造ステージ」と椎名氏は説明。復活を遂げて3級トップシャトーとしての名声を確立し、環境配慮型の最先端シャトーになったという。 　今回のメーカーズディナーは、スパークリングワイン「津軽シャルドネ＆ピノ・ノワール スパークリング 2019」がグラスに注がれてスタート。もともとリンゴ畑だったところでシャルドネとピノ・ノワールを育て、シャンパンと同じ手法で作ったもの。 　その後はシャトー・ラグランジュの白ワイン「Les Arums de Lagrange 2019（レ・ザルム・ド・ラグランジュ）」と、同シャトーのセカンドラベルとなる赤ワイン「Les Fiefs de Lagrange 2020（レ・フィエフ・ド・ラグランジュ）」が登場。最後にシャトーの名を冠した「Chateau Lagrange（シャトー・ラグランジュ）」の2005年、2016年、2019年を飲み比べる時間が設けられた。 　シャトー・ラグランジュが次のステージへ進んだことを印象づけるものとして、2016年と2019年を選定。このうち2019年は、過去36年間の中で最も小粒で凝縮感に富んだブドウを収穫できた年だったという。一方、20年近い時を重ねた2005年は、落ち着いた深い味わいのワインになっていた。 ◆新宿の夜景一望 　会場となったRestaurant BellustarはBELLUSTAR TOKYOのメインダイニングで、東急歌舞伎町タワーの45階にある。天井高13メートルの吹き抜けと大きな窓が特徴で、新宿駅東口側から西口にかけてを一望でき、新宿らしい夜景が堪能できる。「素材で旅するレストラン」がコンセプトのモダンフレンチレストランだ。 　ワインと味わうフランス料理のコースは、竹末宗弘シェフが担当。前菜、魚料理「若狭マハタのポワレ　青のりのブール・ブラン」、肉料理1品目「鴨のロティ　加賀蓮根　牛蒡のソース」、同2品目「能登牛サーロイン・ランプの炭火焼き　辛味大根　バルサミコ」、デザート1品目「ブルーチーズのムース　青トマトのコンフィチュ」、同2品目「メロンのスープ仕立て」、3種類のお茶菓子と続いた。 　魚に続いて肉が2品とラインナップは重量級だが、ワインとともに自然と食事が進むよう配慮された味付けだった。また、メインとなる食事のおいしさだけでなく、ついお代わりを頼んでしまう後を引く味わいのバゲットが印象に残った。 　今回のメーカーズディナーは、必要マイルが1人4万マイル。上位会員限定で、JGC Six Star、JGC Five Star、JGC Four Star、JGC Three Starの会員が参加できるイベントだった。JALによると、国際線特典航空券では日本－ホノルルのエコノミークラス往復や、ビジネスクラス片道が4万マイルに該当し、国内線では羽田－那覇のファーストクラス往復が3万6000マイルで近い値になるという。 　JALは搭乗実績に加えて自社のクレジットカードなど非航空系サービスの利用でもたまる「Life Status（LS）ポイント」に、ポイント数に応じた「Starグレード」を4月1日から導入。グレードに応じた特典を用意するなど、マイル制度「JALマイレージバンク（JMB）」の非航空系分野を強化している。 　3月からは読売ジャイアンツの東京ドーム戦チケットを加えるなど、マイルの交換特典も拡充。今回のメーカーズディナーは、ハイエンドのものに理解がある会員に楽しんでもらおうと企画したという。