「全くの事実無根」←えっ、そうなの? 公式が否定した漫画家の都市伝説
みんな大好き「都市伝説」はマンガ界隈にも
アニメやゲームには「都市伝説」が付きもので、もちろんそれはマンガも例外ではありません。「『ONE PIECE』尾田栄一郎先生の家には専用のATMがある」「『名探偵コナン』の最終回のネームはすでに描かれている」など、これまで漫画家や作品にまつわる都市伝説がいくつもささやかれてきました。その多くが真偽不明ではあるものの、なかには公式がきっぱりと否定した都市伝説も少なくないようです。 【証拠】友人の桂正和先生が激白! 「鳥山ロード」の真相を知る 漫画家に関する都市伝説でいえば、「鳥山ロード」が有名ではないでしょうか。これは『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などでおなじみの鳥山明先生にまつわる都市伝説です。 鳥山先生は出身地である愛知県清須市に、自身のスタジオを構えていました。『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』の連載当時は、原稿はデータではなく紙で送るのが一般的で、鳥山先生は原稿があがるたびに空港まで車を走らせ、航空便で届けていたそうです。 そうした空港との往復を負担に思った鳥山先生が東京への移住を検討しているという話を地元自治体が耳にし、高額納税者である先生の転出を阻止するため、空港から鳥山先生のスタジオまで一直線の道路を新設した……というウワサが出回るようになりました。 確かに鳥山先生の地元への貢献度を考えればありえそうな話です。しかし鳥山先生と親交の深かった漫画家の桂正和先生は、YouTube番組「初耳怪談」に出演した際、このウワサを「見事な嘘」だと否定していました。また鳥山先生の地元である清須市が地盤の県会議員、水野富夫氏がTVのバラエティ番組に出演した際に「鳥山ロード」は存在しないときっぱり断言しています。 また『RAVE』や『FAIRY TAIL』など「週刊少年マガジン」でヒット作を連発する真島ヒロ先生にも、ある都市伝説がささやかれていました。 真島先生といえば、非常に筆が早いことで有名な漫画家です。月刊連載やネーム原作の仕事を「マガジン」での週刊連載と並行して行う、連載しながら超大作ゲームを2週間でクリアするなど、そのエピソードには枚挙にいとまがありません。 そうした真島先生の筆の早さを象徴する話のひとつに、「一挙2話掲載」というものがあります。『RAVE』や『FAIRY TAIL』が連載されていた当時、1冊の「マガジン」に2話分の原稿が掲載されることがたびたびありました。 この「一挙2話掲載」をめぐって、真島先生がゲームの時間を確保するためにストックしておいた原稿が担当編集に発見されてしまい、前倒しで掲載されているのではないか、というウワサがネットを中心に流れ始めたのです。 真島先生の速筆を思えば一見ありえそうな話ですが、2017年に先生自ら自身のX(旧:Twitter)を通して「全くの事実無根」と完全否定しています。同投稿によると「一挙2話掲載」は先生から申請するときもあれば、編集部から依頼されることもあり、いずれも「両者合意」の上で行われているとのことでした。 マンガとは、人びとに「夢」を与えるものです。それゆえにマンガ作品やその作者には、良くも悪くもたくさんの夢が仮託され、やがて都市伝説へと発展していくのかもしれません。
ハララ書房