なぜラグビーW杯開幕を前に日本代表SH流大は宿舎近くでのサイン問題をツイートしたのか?
ファンへ頼みごとをすると同時に、自らにも課された責任を果たす。昨年からは個人練習の分量を増やしたり、練習前の準備を見直したり。いまはW杯経験者で動きに緩急をつけられる田中、攻撃的なスタイルで赤丸急上昇中の茂野海人と定位置を争っていて、先発でグラウンドに立てるかは未知数。パフォーマンスアップの必要性を認識している。 チーム内競争への意欲は、落選者の顔を思い返せばさらに高まるだろう。同級生のフランカーで小、中、高、大、社会人とずっとライバルチームにいた布巻峻介は、メンバー決定前最後の候補合宿を最後にメンバーから外れている。 「怪我無く、頑張って欲しい」 27歳の誕生日にこのメッセージを受け取った流は、決意を新たにする。 「小さい頃から戦ってきた仲間と日本代表で再会でき、やっとW杯で一緒に戦えると思っていたので…。峻の努力はよく知っていますし、一緒に戦いたかった思いは強い。それがいまは叶わないので、その分まで僕がやるだけだと思っています」 本番の予選プールではダークホースのロシア代表、優勝候補のアイルランド代表、環太平洋のサモア代表、欧州6強の一角であるスコットランド代表と順にぶつかり、上位2チームに入るのを当面のミッションとしている。 プロップの稲垣啓太が「これから勝ち上がっていくのに大事なことはプレーのディテールを突き詰めること。ティア1(強豪国)との試合では些細なミスが失点に繋がるので」と総仕上げに力を込めるなか、流は目標達成のための環境づくりに心を砕く。 (文責・向風見也/ラグビーライター)