<W杯>元日本代表 廣山氏が分析する南米、アフリカ勢にある死角
■ブラジルの暑さは日本に不利ではない 日本と同じC組に入ったコロンビアとコートジボワールは、南米、アフリカのチームのため、平均気温25度というブラジルの暑い気候では日本より有利だという説が出ている。だが、元日本代表で、現在、JOCの海外指導者派遣制度でスペインに留学している廣山望さんは、それに否定的な意見を持っている。 【画像】元日本代表「予選突破のカギは初戦」
■暑さ対策なし 南米、アフリカ勢の死角 「レシフェには、僕も住んでいたことがあります。環境的にストレスのない場所ですが 暑いです。暑さ対策は、ひとつの重要なポイントでしょうが、実は、南米、アフリカのチームは、監督にもよりますけど、コンディショニング調整をあまり気にかけていないんです。暑いとホテルとかでもエアコンもかけまくりですしね。暑さ対策も含めて、ほとんど選手任せなんですよ。それに対して暑さへの対応に関しては、日本にはスタッフにエキスパートがいて準備、調整に心配はありませんよね。日本は普段から水分を取ったり、外との気温差をなくしたりだとか、スタッフが万全の暑さ対策をしますから。そういう面でぶれません。それが試合でのコンディションにつながります。すでに今年6月のコンフェデ杯で、レシフェでイタリア戦を行い、暑さも会場も経験していることも日本にとってはプラスでしょう」 廣山さんは、2002年にレフェを本拠地とするスポルチ・レシフェに所属していて在住経験がある。現地の環境を熟知していて、パラグアイなど南米のクラブでのプレー経験があるからこその意見。2010年の南アW杯では、高地対策をしっかりと積んでスタミナ不足やコンディション不良を防いだが、コンフェデ杯を経験したことで、今回は、さらに万全の暑さ対策がとられることは間違いない。 ■連戦に強く初戦に弱いアフリカ勢 さらに廣山さんは、コートジボワールが持つ死角を指摘する。 「アフリカの中では最強のチームの一つですが、アフリカのチームの特徴としてネーションズカップなどトーナメント方式の大会を多くやっているから、勢いのあるチームが勝つんです。調子のピークを日本との初戦に持ってこられると怖いんですが、W杯は準備期間が長いから調整しづらいかもしれません。彼らは連戦のほうが勢いに乗りやすいんじゃないですか。初戦に照準を合わせることは、精神的にも難しいと思います。対して日本は、コンディションやメンタルの照準を合わることが得意ですよね。前回のW杯でも、カメルーンにも勝っているしアフリカ勢に対して苦手意識はないでしょう。エースのドログバのコンディションがいいとかなり苦戦を強いられると思いますけど、今の日本代表は一人の選手にはやられない強さがあります。コートジボワールが、チーム完成のピークを初戦に合わせることに失敗していれば、日本の方が、相手を困らせることができると思います。だから、私は、アフリカ勢との対戦が初戦で良かったと思っているんです」