「カーナビを売ってなんとかする」父が他界し、自宅を相続…消費者金融で不動産を担保に2,000万円を借りた“年収350万円の22歳・派遣社員”の末路【CFPが解説】
不動産を担保に融資を受けられる「不動産担保ローン」。一般的に、無担保ローンと比較して金利が低く、返済期間が長く設定できるため、月々の返済額を抑えられるというメリットがあります。 最大融資額が大きいという点も魅力のひとつでしょう。一方で、もちろんリスクもあって……。本記事では公認会計士、税理士、証券アナリスト、CFP、宅地建物取引士の資格を持つ鄭英哲氏が、事例とともに不動産担保ローンの注意点について解説します。 都道府県「子どもの教育費」ランキング
年利29.2%…20年前の消費者金融業界
新卒で入社したのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの消費者金融業界。 筆者はいまでこそ、公認会計士、税理士や証券アナリストなど多くの資格を活かして仕事をしていますが、大学を卒業した2001年から2年間、某大手消費者金融で働いていたことがありました。つまり、新卒から2年間は「金貸し業」をしていたのです。そんな消費者金融で働いていたときにあったエピソードを一部脚色して紹介したいと思います。 当時、消費者金融業界は筆者の勤務先(以下「X社」とします)以外に、T社、A社、P社、L社の5社が大手として君臨していました。これらの創業社長は当時の日本の長者番付にも載るくらいでしたので、いわゆる「飛ぶ鳥を落とす勢い」だったといえます。 当時の出資法の上限金利はいまでは考えられない「年利29.2%」! 朝から晩までテレビCMが流れ、「借りることがかっこいい」みたいな風潮もあったように見えます。筆者が勤務していたX社も、消費者金融ブームの波に乗って業績は非常に好調。仕事は厳しいものの、新卒の筆者でも初年度の冬のボーナスが額面で60万円はもらっていたと記憶しています。 そしてX社の主力商品は、 1.通常の貸し出し 2.不動産担保ローン 3.連帯保証人付きのローン の3つ。不動産担保ローンは、不動産の評価によっては1,000万円まで融資ができるため、特に会社から営業強化の対象となっていました。