なぜトイレは臭いのか 原因成分の主犯は実はアンモニアではなかった 「アンモニアは共犯にすぎない」駅のトイレでにおい成分を収集し突き止めた研究員 悪臭コレクションは600種類
においの強度を6段階に分類
訓練で鍛えた山本さんの鼻。その鼻で、トイレで収集した約300種類のガスをかぎ、どの成分が人にとって臭いと感じるか、判定していきます。 TOTO研究員 山本政宏さん 「硫黄系のにおい。臭気強度2」 「フェノールのにおい。臭気強度2」 「次々に色んなにおいがしてきますので、それを瞬時にどんなにおいと判断して記録するのはかなり訓練しないとできません」 においの強度を6段階に分け、山本さんが臭いと感じた瞬間と機械が収集したデータを照らし合わせます。
トイレの悪臭 真犯人は…
地道な調査の結果、トイレでの「においの真犯人」を突き止めました。 TOTO研究員 山本政宏さん 「従来アンモニアが一番だと思われていたんですが、実はそうではなくて、トリメチルアミンという成分が一番くさいにおいの原因ということが研究で検証できました。アンモニアのにおいに似ているんですが、主犯はアンモニアではない。アンモニアは共犯者というイメージです」 入社から3年後となる1995年に「真犯人」を突き止めた山本さん。研究の成果は、TOTOの大ヒット機能「きれい除菌水」など新たな開発につながっています。 TOTO研究員 山本政宏さん 「時間がかかっただけに、商品が発売されて評判がよかった時には貢献できたなと感じて」
「臭わない水回り、つくっていきたい」夢は海外にも
山本さんが今気になっているのは海外のトイレです。 TOTO研究員 山本政宏さん 「臭わない水回りとか、掃除が楽な水回りをつくっていきたいということは日本ではありますし、それを海外に広げていきたいということも強く思っています。いつでも快適なトイレを誰もが使えるように、ということに少しでも貢献したい。悪臭とは、切っても切れない悪縁だと思っています」