J1序盤戦の主役は?…「ベストイレブン」選出、浦和やFC東京など4クラブの新戦力厳選【コラム】
町田のアタッカー、磐田の10戦10発ストライカーは特筆の活躍ぶり
攻撃のタレントで最もインパクトを放っているのが、町田の平河悠だ。キレのあるドリブルで縦への推進力をもたらし、質の高いクロスをエリア内へと送り込む。個の力が求められる町田の前線において、このアタッカーの存在はもはや欠かすことができない。サガン鳥栖戦での3アシストは圧巻の一言だ。 その平河とともにU-23アジアカップで躍動した荒木遼太郎も今季の序盤戦の主役の1人だろう。近年は鹿島で燻ぶっていたものの、新天地のFC東京で完全復調した。ライン間でボールを引き出し、素早く前を向きゴールへと迫る。その攻撃センスの高さは特筆すべきで、出場6試合で5得点と高い決定力も示している。 柏のマテウス・サヴィオも開幕から好調を維持する。左サイドハーフと2トップの一角としてプレーし、ここまでリーグトップの4アシストをマークする。エースの細谷真大にいまだゴールがないなかで、技術とスピード、プレー強度の高さを備えたブラジル出身の10番の存在感は高まるばかりだ。 最前線は磐田のジャーメイン良で決まりだろう。かつてはドリブラーのイメージが強かったが、CF(センターフォワード)起用が増えた昨季に得点能力が開花。9得点を挙げて昇格に貢献すると、J1の舞台でも開幕からゴールを量産。川崎戦で4ゴールを記録するなど、強烈な左足と打点の高いヘッドを武器に10試合で10得点と早くも二桁に乗せた。29歳の遅咲きのストライカーもまた、今季のJ1に新しい風を吹き込んでいる。 [著者プロフィール] 原山裕平(はらやま・ゆうへい)/1976年生まれ、静岡県出身。編集プロダクションを経て、2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
原山裕平 / Yuhei Harayama