「怖いものが大好き」連ドラで熱演する加藤千尋の“ホラーがかった”演技はもっと見てみたい
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 「怖いものが大好き」。 元BiSHでセントチヒロ・チッチこと加藤千尋は笑顔でそう口にした。出演中の日本テレビ系連続ドラマ「肝臓を奪われた妻」(火曜深夜0時24分)についてインタビューした際に、趣味について聞いた。 「最近は常にずっと何か見ているんですよ。毎日のルーティンは怖いものを見て寝ること。ホラーが大好きなんです」 映画やドラマ、配信系、YouTubeなどあらゆるものから“怖い映像”をサーチ。「本当に怖いものを見て、自分の中で怖さの評価、5段階で何だったかな~って考えながら歯磨きをして。怖かったなっていう幸せな気持ちで寝ます。日常で味わえないスリルがすごく好きで、夢に出てくれたら最高って思っています」と声を弾ませた。 夢で見たくない人の方が多そうだが、話している加藤はとても楽しそうだった。地上波連ドラ初出演となった「肝臓を奪われた妻」でも、わがままで激しい感情もあらわにする主人公の夫の妹、中村弘子役を熱演。発狂して家具や花瓶を破壊したと思えば、水崎綾女演じる兄の妻、安藤るり子とは取っ組み合い。結婚を狙う田村健太郎演じる井川賢三を怒鳴り散らすなど、ルーティンの“ホラー没入”のごとく、情緒変化の激しい役を“怪演”している。 加藤はこの趣味が芝居にも通じる部分があるとも語った。「今までは感じたことがなかったですけど、お芝居をした時って普段の自分では行動しないことをするじゃないですか。なので、非現実という意味で、少しホラーに似ているなと思いました」。あの演技はどこからきたのかと感じるほどに、とても柔らかな雰囲気で話す。「そう感じるなら、役者業は合っているんじゃないですか?」と返すと「うれしいです。ぜひ寝る前にホラー見てみてくださいね」と声をかけられた。 就寝前ホラーは少し気が引けるので実現しそうにないが、加藤の“ホラーがかった”演技はもっと見てみたいと感じた。今回のような役はもちろん、逆をいくような純愛系などでも、どんなものを見せてくれるのだろうか。本人インタビューと今回のドラマの両方を肌で感じ、とても興味が沸いた。 加藤はBiSHのメンバーとして長く活躍し、昨年6月の解散後からはソロアーティスト兼役者として再出発した。「覚悟を持って飛び込みたい」と意気込み、俳優としては「加藤千尋」の名を使う。「もっといろんな場所で加藤千尋としていろんな自分に出会っていきたいです。未知の自分に出会いたいというのがあるので、いろんな人になっていけたらいいなと思っています」。今はまだ「セントチヒロ・チッチ」の認知度の方が高いだろう。どこで逆転となるか。これからの活躍にも注目していきたい。【松尾幸之介】