閉会式で優勝杯を受け取る大阪桐蔭の松尾汐恩副主将＝阪神甲子園球場で2022年3月31日、藤井達也撮影

　第94回選抜高校野球大会は最終日の31日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、大阪桐蔭が近江（滋賀）を18―1で破り、4年ぶり4回目の優勝を果たした。捕手として投手陣をリードし、打撃でも計2本塁打をマークした松尾汐恩（しおん）捕手（3年）の試合後のコメントは次の通り。 【写真一覧】毎日新聞記者が選ぶベストナイン 　◇先輩たちの悔しい思い胸に 　（投球の組み立ては）近江高の打撃陣は粘り強く打ってくるので、負けずに力で押していこうと思った。 　（大阪桐蔭打線はボール球に手を出さず、打ち損じがなかった。意識は）ストライクゾーンを上げて低めの変化球を見切ることをやってきたので、それはできたのかなと思う。 　（昨夏の近江戦でもマスクをかぶって試合に出ていた。近江に対する思いは）昨年、近江高に負けてからの新チームだった。（再戦は）何かの縁があると（思い）、リベンジしようと思った。 　（三回の2打席目に本塁打を打ったが）変化球を狙っていたけど、真っすぐがきたのでしっかり反応して打てた。 　（新型コロナウイルスの影響で参加を辞退した京都国際高にも中学時代のチームメートらがいる。どういう気持ちで戦っていたのか）京都国際の選手も試合ができずに悔しい思いがあったと思う。自分たちが野球ができていることは当たり前ではない。野球ができていることに感謝したい。 　（入学した2020年は当時の3年生の夏の甲子園が中止になった。どう感じたか）先輩たちの悔しい思いがあったので、自分たちの代ができていることをありがたく思っている。 　（どういうプレーを見せたかったか）自分の結果よりもチームとして勝つことが一番大事。チームに貢献することを意識した。 　（勝って当たり前の見られ方をする。プレッシャーは）そう思ってもらえるのはありがたい。それをプレッシャーにせずに自分たちの楽しみに変えることを意識している。 　（近江高の山田君が一人で投げていて、スタンドも応援しようという雰囲気だった。戦いにくさはなかったか）自分たちのプレーを意識しようとしたので何も思わなかった。 　（昨年の夏と比べて、どう成長したか）捕手として考え方はだいぶ良くなってきた。投手とのコミュニケーションを多くとってきたので、リード面で生きてきた。打撃はミート力が足りないので、もっと確率をあげたい。 　（捕手としての考え方とは）投手との連係面や、投手をより分かってというところがより良くなっている。 　（先発した前田投手の投球を）気持ちの強い投手なので、そこは自分も強い気持ちで応えようと思っていた。自分のリードに応えてくれてよかった。スピードよりもコントロール重視で投げてくれたのでよかった。 　（前田投手の成長は）直球の質や変化球の制球力が良くなっている。秋に比べてもう一段階、気持ちの強さが上がってきた。 　（まとまりのあるチームになった。転機になった出来事は）去年のチームに比べて力がないと言っていた。泥臭く戦っていくのが色だと話していたので、そういうところは出せた。