Travis Japan松田元太が声で見せた“無邪気さ”からの“闇落ち”ギャップに称賛集まる「ゾクッとした」<ライオン・キング:ムファサ>
「ライオン・キング」シリーズ最新作「ライオン・キング:ムファサ」が12月20日に日本で劇場公開された。同作でシンバの父・ムファサの弟・タカ(後のスカー)の超実写プレミアム吹替版声優を務めたのが松田元太だ。Travis Japanのメンバーとして活動する一方で、本作のオーディションを経てタカ役をつかみ取り、声優に初挑戦した松田は、普段のバラエティー番組やアーティストとして舞台に立つ姿とは異なる新たな魅力を発揮している。今回は映画「ライオン・キング:ムファサ」で見せた彼の声優としての魅力に迫る。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】松田元太演じるタカの“せつなさ”が伝わってくる「ムファサ」のビジュアル ■無邪気な“タカ”がヴィランへと変貌する様を快演 今回、松田が声優に初挑戦した映画「ライオン・キング:ムファサ」は、2019年公開の超実写版「ライオン・キング」(ディズニープラスで配信中)の“前日譚”。はじまりの物語として「ライオン・キング」の主人公・シンバの父・ムファサと、かつては“タカ”と呼ばれた彼の弟であり、後に“ヴィラン”となるスカーとの知られざる真実を描いている。 これまで語られてこなかったムファサとスカーの関係性をひもとく「ライオン・キング」シリーズの原点である同作で、松田が演じるタカは尾上右近演じるムファサと運命的な出会いを果たす。2頭は、血縁関係を超えた“兄弟”としての絆が深まっていく一方で、別の道を選んでしまったタカ、そしてムファサが王として君臨した理由がこの物語では明らかになっていく。 11月に行われた同作のイベントでは「ヴィランでちょっと恐ろしいイメージがあるんですけど、今回のタカはかわいらしい時代があり、天真らんまんで無邪気で、自分にも共通点があるなと感じました」と自身が演じるタカのポジティブな一面を語っていた松田だが、彼の言葉の通り、ヴィラン化する前のタカはとっても無邪気で天真らんまんな性格で、でもどこかシャイな姿もあり、そして何よりも兄ムファサのことが大好きな弟だった。 そんなタカの性格や兄に対する切ない心情の変化は、映画を見進めていくにつれて変わっていく彼の表情、行動からももちろん感じ取れるのだが、さらに松田の声を通すことでより感情移入できるような感覚になる。 例えば、劇中で右近と松田が披露した楽曲「ブラザー/君みたいな兄弟」では、タカの無邪気さが全面に出ており、タカと同様に無邪気な声で歌唱する松田の弾むような歌声からも、ムファサとはしゃぐタカの純粋でかわいい弟らしさが表現されている。 一方、ムファサとの大冒険の後にシンバの母となるサラビが加わってからのタカといえば、悲しくも徐々に孤立していく姿が描かれているのだが、松田の声からも愛情が憎しみへと変わっていく様子が伝わり、思わず「タカ…行かないでくれ」という気持ちにさせられてしまうほどだ。 無邪気なキャラから一変し闇落ちしていくタカのギャップを見事に体現した松田の演技には「感情移入しすぎて泣いた」「キャラの切り替えが素晴らしい!」「声のトーンの違いにゾクッとした」などと、絶賛する声が多く届いている。 ■セクシーな演技とは一変、ドッキリ番組で見せる天然キャラまで 松田といえばバラエティー番組で見せる強烈な天然キャラの印象的だが、2024年に放送された恋愛ドラマ「東京タワー」(テレビ朝日系)では、MEGUMI演じる主婦・喜美子との禁断の恋に燃える耕二役を演じ、松田の色っぽい演技が大きな話題となった。数々のドッキリに仕掛けられては100点満点のリアクションを見せたり、面倒くさいという理由でする癖の強い麺の食べ方を披露したりと面白キャラとは一変した姿に驚きを隠せない視聴者も多かっただろう。 また、2022年にはグループでアメリカに留学し、同年10月28日には全世界メジャーデビューを果たしたTravis Japan。松田はアメリカ生活で培ってきた語学力を生かし、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「ライオン・キング:ムファサ」のワールドプレミアでは現地に駆け付け、バリー・ジェンキンス監督や、本国版でタカ役を務めるケルヴィン・ハリソン・Jr.らに自ら英語で話し掛け、仲良く写真を撮るなど交流を楽しんでおり、何事も意欲的に取り組む真摯(しんし)な姿も記憶に新しい。 エンターテインメントの舞台でジャンル問わず多くのチャレンジに全力で向き合う松田。今後も日本だけに留まらず、世界に羽ばたく彼の活躍ぶりが楽しみだ。 映画「ライオン・キング:ムファサ」は、劇場公開中。 ◆文=suzuki