砂村光信氏 若手増で心配…相手を元気づける“サイン”徹底排除の文化引き継がれていない
◇ラグビー アサヒスーパードライ パシフィック・ネーションズカップ2024決勝 日本17-41フィジー(2024年9月21日 大阪・花園ラグビー場) 【砂村光信 視点】サモア戦ではいわば奇襲先発だったFB李承信が機能したが、現代ラグビーは1週間もあれば分析されてしまう。サモア相手には李が絡んだループパスが有効だったが、フィジーにはパスの先をつぶされ、超速ラグビーが機能しなかった。まだ防御の整備にしっかり着手していない今の日本代表では、ある程度はトライを取らなければ勝てない。攻撃では対策の上を行く引き出しにも乏しく、現時点での地力差を見せつけられた結果となった。 気になったのが時間が進むに連れて、キツそうな表情を見せる選手が多かったこと。前回エディーHC体制の12~15年は相手を元気づける“サイン”を徹底的に排除するよう指導されていたが、若い選手が増え、そうした文化が引き継がれていない面は心配だ。リザーブでインパクトを残した選手も少なく、選手層の強化も発展途上と言える。秋に向けては姫野、松島ら以前の主力がどんな進化を遂げ、代表復帰するかに注目したい。(元U―23日本代表監督)