芸術家・草間彌生氏が文化勲章「一生は一度、大いに戦いたい」
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芸術家の草間彌生氏(87)に2016年度の文化勲章が贈られることが28日、決まった。都内で会見した草間氏は「大変感激している」と喜びの声。「毎日オリジナルの作品をつくるので頭の中がいっぱい。一生は一度しかない、大いに戦っていきたい」と依然、衰えない創作意欲を表した。 高倉健さんも受章した「文化勲章」とは? 「文化功労者」「褒章」との違い
芸術が「人生、命のすべて」という草間氏は、1929(昭和4)年3月、長野県松本市生まれ。故郷での創作活動を経て、1957(昭和32)年に渡米。以降、絵画や彫刻、映像、小説など幅広いジャンルの作品を創作してきた。2016年には、米タイム誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれている。 今も週6日、1日に9時間は作品づくりに没頭する日々。現在、制作に取り組む絵画シリーズ「わが永遠の魂」については「心の限りのわたしの思いを表現している」と説明する。2017年2月からは国立新美術館で「わが永遠の魂」シリーズの展示が予定されているほか、国内外の美術館で個展が開かれる。「世界中でわたしの作品を楽しんでもらえてうれしく思う」。
数々の賞を受章したが、「もっと自分の芸術をとことんまで伸ばしたい」となおも貪欲に自らの成長を希求する。今後について、「わたしの死んだ後までも、多くの人々がわたしの芸術に興味を持っていただくということに、すべてをかけている」と語った。 文化勲章はこのほか、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた東工大栄誉教授の大隅良典氏(71)、集団遺伝学の太田朋子氏(83)、日本近世文学の中野三敏氏(80)、作家の平岩弓枝氏(84)、作曲家の船村徹氏(84)の計6人の受章が決まった。11月3日に皇居で親授式が行われる。 (取材・文:具志堅浩二)