前田智徳2世? 他球団の間で「間違いなく活躍する」と話題の若武者は
球界を代表する天才打者
前田は球界を代表する天才打者として、プロ24年間広島一筋でプレーした。高卒2年目の1992年に外野のレギュラーをつかみ、95年に右アキレス腱断裂も大ケガを負ったが、その後も卓越した打撃技術で活躍し続けた。その後もケガとの闘いが続き、2001年は27試合出場でノーアーチに終わったが、02年は123試合出場で打率.308、20本塁打、59打点でカムバック賞を受賞。05年は12年ぶりの全146試合先発出場で、打率.319、32本塁打、87打点、自己最多の172安打を記録した。晩年は代打の切り札を務め、通算2119安打を積み重ねた。 現役時代は口数が少なく、職人気質のストイックな性格で知られていた。田村は甘いマスクが印象的だが、泰然自若の姿勢は前田と重なる。外野の定位置争いやライバルの存在について、こう語っている。 「同じポジション、似たようなプレースタイルや選手タイプでも、僕、ライバルだって感じないんですよ。『その人はその人』『僕は僕』というふうに見ているので。昔からですね。ライバル心を抱かれるということはありましたけど、僕から誰かを特別に意識したりということはなかったです。ほかの選手が活躍しているのを見て思うのは、もっともっと自分を上げていけるなということ。例えば、同級生がホームランを打ってたりしたら、僕も打てるやろ、と。先を見ているんですよね。来季、龍馬(西川龍馬)さんが抜けて外野のポジションが空きますが、そこに関しても、自分が結果を出して、評価をしてもらうだけですね」 高橋慶彦、江藤智、緒方孝市、前田、鈴木誠也(カブス)、坂倉将吾……。広島は高卒のスター選手がチームを支えてきた歴史がある。ネクストブレーク候補と目される田村は活躍できるか。野球人生を変える大事なシーズンが始まる。 写真=BBM
週刊ベースボール