（ブルームバーグ）： 米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）は来年、米中西部ミシガン州デトロイトの中心部にある本社を同市内で開発中の複合ビル「ハドソンズ・デトロイト」に移す見通しだ。

このビルは、資産家ダン・ギルバート氏率いる米不動産会社ベッドロックが手がける150万平方フィート（約13万9300平方メートル）規模の新たなプロジェクトで、1998年に取り壊されたハドソンズ百貨店の跡地に建設中。

同ビルには、40万平方フィートのオフィススペースの他、ホテルや小売店、レストラン、住居用コンドミニアムなどが入る予定だ。

ＧＭはこの移転によりデトロイトの中心部再生に長期的に貢献することになる。住宅ローン会社ロケット・カンパニーズで会長を務めるギルバート氏は、主要オフィスや小売り・ホスピタリティー施設などの買収・開発を主導してきた。

ＧＭとベッドロックは15日遅くにこの移転計画について発表。ブルームバーグ・ニュースによる先の報道を確認した。

デトロイトにコミットすることで、ＧＭは引き続き同地に拠点を置く唯一の大手自動車メーカーとなる。同社はデトロイト中心部のオフィスに従業員約5000人を抱えているほか、現在の本社ビルから約12マイル（約19キロメートル）北にあるテックセンターではさらに数千人の従業員が働いている。

デトロイト市内には同社の電気自動車（ＥＶ）工場「ファクトリーゼロ」もある。フォード・モーターはデトロイトに隣接するディアボーンに本社を置いている。

ＧＭのメアリー・バーラ最高経営責任者（ＣＥＯ）は記者会見で、ハドソンズ・デトロイトは「ＧＭにとって最適の場所」だと指摘。「われわれはこの最先端のビルの代表的なテナントとなる。そこはわれわれの本社であり、中枢であり、従業員にとって共同作業の場となる」と述べた。

ＧＭのマーク・ロイス社長によると、同社は15年間の賃貸契約を結び、同ビルの上層階２フロアを使用する予定。ＧＭが長年本社を構えてきたオフィスビル「ルネサンス・センター」については、同社とベッドロックが新たな用途を見いだすため協力するという。