駆除したシカを製品化「なめし革」完成「獣害」逆手にとって「町おこし」に(島根・美郷町)
山陰中央テレビ
シカによる農作物への被害拡大が懸念される島根県美郷町。 これまでこうした獣害を逆手に取った町おこしを進めてきましたが、今回新たな取り組みをはじめます。 目を付けたのはシカの肉ではなく、皮です。 テーブルの上に広げられたのはシカのなめし革。 農作物への被害を防ぐために美郷町内で駆除されたシカの皮を加工したものです。 美郷町ではこれまで長年にわたり駆除したイノシシの有効活用に取り組んできましたが、近年は、町内で捕獲が急増している「シカ」の活用に取り組んでいます。 駆除したシカの肉を広島市の安佐動物園で飼育されているライオンのエサや、町内の飲食店で唐揚げにして定食メニューに。 創意工夫を凝らして有効活用してきました。 そして今回、目を付けたのは肉ではなく皮。 新たな取り組みとはシカのレザークラフトです。 駆除したシカの皮を剥いで東京の皮加工会社に送り、約1カ月かけてなめし革に加工。 この日はこれまでイノシシの皮を使って革製品を作ってきた地元の婦人会になめし革をお披露目しました。 シカの皮はイノシシの皮よりも柔らかいため加工はしやすいものの、耐久性をどう高めるかが今後の課題だといいます。 地元皮革手芸グループ青空クラフトスタッフ: 「(イノシシと)手ざわりが全然ちがいます。一番いいのはお財布とかタッセルという感じですね」 美郷町美郷バレー課・安田亮さん: 「食の部分と未利用の部分をバランス良くだんだん体系的に使えるようになってきた。今後はこれをさらに充実していくとともに、食の部分と未使用の部分のメニューをどんどん増やしていきたい」 厄介者のシカの皮を使ったレザー製品は今年10月に町内で開かれるイベントでお披露目される予定です。
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