戦力外通告された鈴木伸之“大翔”、トライアウト後にオファーをくれたのはプロ野球球団ではなかった<バントマン>
鈴木伸之が主演を務めるドラマ「バントマン」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系 ※FOD・TVerにて配信)の第1話「フルスイングこそふさわしい」が10月12日に放送された。中日ドラゴンズのスタッガーとして鳴らした柳澤大翔(鈴木)は、華々しいデビュー以降、相次ぐケガやスランプに苦しみ、ついに戦力外通告を突きつけられてしまう。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】鈴木伸之“大翔”は戦力外通告を受け、頭を悩ませる ■オリジナルで描く“スポーツ・エンターテインメントドラマ” 本作は、土ドラ初の“スポーツ・エンターテインメントドラマ”で、中日ドラゴンズの全面協力で実現。ドラゴンズが連続ドラマとタッグを組むのも初であり、“初めてづくし”の作品となっている。 主人公は、ドラゴンズのホームランバッターとして活躍するも、やがて戦力外通告を受けてしまった元プロ野球選手・柳澤大翔。演じるのは、自身も中学生まで地元のクラブチームで4番バッターとして活躍した鈴木。「誰かのスコアボードに幸せという名の得点を刻む」を信念に、犠牲を払って周囲をサポートする陰のヒーロー“バントマン”にスポットを当てている。 大翔の父・大喜をモロ師岡、母・絵里子を朝加真由美、大翔の一人息子で名古屋の少年野球チームに所属している直斗を小山蒼海が演じている。野球オタクで野球の哲学は全て人生にもそのまま通じると考えているイニングナイングループ社の社長・櫻田誠一郎を坂東彌十郎、櫻田が作った究極の福利厚生組織「SOB(シークレット・ベネフィット・オーガニゼーション)」のバントマンをたちを束ねるヘッドの根鈴華を倉科カナが演じる。他に、社長秘書・末松透子役を福田ユミ、SBO部員の藤堂俊介役を平原テツ、梶間響子役を石川瑠華、吉岡葉留樹役を阿久津仁愛が務めている。 ■鮮烈なデビューから14年、大翔に突きつけられたのは“戦力外通告” 大翔(鈴木伸之)は中日ドラゴンズに入団後、プロ初打席が初ホームランという華々しいデビューを飾った。チームのスラッガーとして期待された存在だったが、翌年、ケガをして戦線離脱。ケガが完治した後はスランプに陥り、その後も自分の理想のバッティングとは程遠いものだった。ホームランバッターとしての自負があり、自身の信念を貫いて戦ってきたが、チャンスに送りバントのサインを出されてしまう。バントは成功したが、試合後のインタビューで首脳陣を批判する発言をしたことが大きな問題に。それもあってか、鮮烈なデビューから14年、シーズンオフに待っていたのは“戦力外通告”だった。 妻が他界して以来、シングルファーザーとして育ててきた息子・直斗(小山蒼海)には戦力外になったことを伝えていなかった。球団からスタッフとして残ることを提案されたが、現役にこだわる大翔はその申し出を断り、トライアウトを受けることを決意した。 ■戦力外となった大翔はトライアウトで新天地を求める 息子には戦力外通告されたことを隠していたが、少年野球のチームメイトから聞いたらしく、そのことは直斗にバレていた。 「どこのチームに行くの?」と聞かれ、「まだ決まってないけど、これから決まる。決まったらちゃんと教えるから」と約束。 そして「日本プロ野球12球団合同トライアウト」の日となった。なかなか良い結果が出なかったが、最終打席で見事にホームランを放った。ホームランを打ったのは参加者の中で唯一人。終わった後の取材でも自信たっぷりにコメントし、後はどこかの球団からのオファーを待つばかり。 だが、待てども待てどもオファーの連絡はなかなか来ない。そんな時、イニングナイングループ社の社長・櫻田(坂東彌十郎)から電話がかかってきた。「ぜひ柳澤選手と契約を交わしたいと思っております。一度、お会いできませんか」という内容だったが、プロ野球球団ではなく、知らない会社からのオファーに戸惑う大翔。 ■櫻田「私にとって社員は家族であり、宝です」 とはいえ、どこの球団からもオファーの連絡が来てない大翔は、とりあえず櫻田に会うことにした。指定された場所は、大きくそびえ立つイニングナイングループの本社ビルの近くにあるさびれた「旧櫻田モータース イニング9グループ 0号棟」という建物だった。 大翔が到着したのと同時に、根鈴華(倉科カナ)もそこに到着した。華は、イニングナイングループ社の総務部で働いていたが、異動の辞令を受け取り、ここにやってきた。 「櫻田モータース」は櫻田の父親の会社で、子供の頃からの思い出の場所。父親のような大人になりたいという思いで会社を作り、その会社は大きく成長した。しかし、会社が大きくなればなるほど社員たちとの関わりが薄くなってしまうことに不安を感じたという。「私にとって社員は家族であり、宝です」という櫻田は、3万人の家族(社員)を幸せにしたいと考え、社員の抱えている悩みを和らげるために秘密の福利厚生組織「シークレット・ベネフィット・オーガニゼーション(SBO)」を作ることにした。 大翔は「SBO」から「ストライク、ボール、アウト」と野球を連想したことを櫻田に伝えると、櫻田は「すべての道は野球につながっていると悟った」と返した。 櫻田は「SBO精神に賛同してくれた犠牲心あふれる勇者たちが社員たちに紛れ、寄り添ってくれています。困っている社員に手を差し伸べ、次のステップに送り出す。そんな彼らや彼女のことを敬意を持って“バントマン”と呼んでいます。究極の福利厚生の手伝いをするのがバントマンの役目。社員全員が幸せになってほしい。その社員の家族にも幸せになってほしい」と、自身の理念を伝えた。そして根鈴に「社長室に身を置きながらスカウティングとバントマンの指揮をとってほしい」と伝えた。 ■櫻田の最初の契約交渉は失敗に終わった 大翔には「ここで野球すればいいじゃないですか」と、バッティング練習に必要な設備を見せた。櫻田は「ヒーローのホームランは誰よりも美しい。またあの美しいホームランが見たい」と大翔のファンだと明かし、「それと同じようにヒーローの送りバントを見たい」と、人生で一度きりの犠牲バントのことに触れ、「あのバントを一生忘れない。悔しそうな表情を一生忘れない」とチームのために自身を犠牲にしたヒーローはかっこよかったと絶賛。 「犠牲はかっこいいんです。もう一度プロ野球の世界に戻れるまでここで働こう。ホームランを打つ場所が見つかるまでここでバントしよう」と櫻田は提案するが、大翔は「でも、俺はホームランを打つ人間なんで。ランナーを進めるより得点を多く取りたいので、バントはやる気ないです」と断った。 いつでもフルスイングがモットーのスラッガー・大翔。その素晴らしさを知りながらも“犠牲心=バント”をすすめる櫻田。最初の交渉は決裂に終わったが、ここから大翔にどんな変化が起こっていくのか気になるところだ。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部