PK決着もあり得るバーレーン戦 森保ジャパンが”警戒”すべきポイントは?【アジア杯・ラウンド16展望】
また、バーレーンは引きっぱなしのチームではないので、ビルドアップで相手のプレスを剥がすことも必要だ。アルゼンチンの名将であり、2019年アジアカップではラウンド16で日本が1-0で辛勝したサウジアラビアを率いたピッツィ監督が、今はバーレーンを率いている。グループステージでベトナムやイラクがやったように、前線からの守備で日本にストレスを与える可能性は高い。日本もそろそろ、対策されることに慣れなければいけない。これは優勝候補の宿命だ。 そうした懸念がある一方、日本にとってはポジティブな要素も多い。ここまで起用を抑えてきた上田綺世や冨安健洋は、コンディションが上がってきた。三笘薫の起用は今も難しそうだが、冨安はもちろん、ストライカーとして怪物化しつつある上田は、決勝ラウンドで日本の鍵を握る選手になるはず。インドネシア戦のザ・点取り屋と言うしかない2ゴール(ハットトリック未遂でほぼ3ゴール)には、私たちが長い間待ち焦がれた何かを見た気がした。 ポテンシャル山盛りのGK、鈴木彩艶も同様だ。この先は中東勢との戦いが増え、フィジカル派の相手が少なくない。ゴール前に放り込まれたクロスに対する鈴木のパワフルなセービングは、これまでの日本には無かった大きな武器になる。その片鱗はグループステージでも見えたが、相手の力量が上がる決勝ラウンドでは守備機会が増え、それがより試されるはずだ。 また、鈴木にはセットプレーの改善でも貢献してほしい。日本はグループステージで5失点を喫し、そのうち3失点がセットプレーだったが、内容はすべて日本の守備のやり方を分析されて裏をかかれた格好だ。当然、これはチームとして改善に向かわなければならないが、ピッチ内の実践に関しては、GKの指示が重要になる。こうした難局を乗り越えれば、鈴木自身も大きく成長するだろう。楽しみでしかない。 日本は2位突破したことで、バーレーン戦が中6日と大きく空いた後、次は中2日、中3日、中2日と続く。今は嵐の前の静けさ、といったところか。31日から、怒涛の連戦だ。 [文:清水英斗]