<独占インタビュー2>羽根田が明かす賞金大会ゼロのカヌー界の現実
――JOCからの補助金は? 「エリートアスリートのような制度で23歳までは補助金をもらっていましたが、年齢を超えてからはもらえなくなりました。世界3位に入れば強化費を受けられますが、結果を出せていなかったので。実は、リオ五輪前に、JOCの強化方針で、海外を基点に選手を育成しよう、というものがあって、カヌー連盟から申請してもらった。僕は、すでにずっと海外にいるから、そこを認めてもらって補助金をもらえるのではないか、と期待していたんですが、リオ直前に結果が出て、“今回は駄目でした”と。『よし! やってやるぞ! リオ五輪で目にもの見せてやるぞ!』って気持ちになりましたよ(笑)」 ――リオ五輪でのモチベーションが高まりましたね? 「スタート前には、僕はリラックスするより、あえて体を固めて、怒るんです。『やってやるぞ!』と思うんです。いろんなスタート前の臨み方がありますよね。笑う選手がいたり、リラックスを重視したり、僕は『ちくしょう!』と怒りをエネルギーにするタイプなんです。 実は、スロバキアの人々の国民性が、そうなんですよ。普段から短気でちょっとしたことで怒る癖があります。街中の車の運転を見ているとわかります(笑)。僕にはそれが合っているし、その影響をもろに受けていますね。練習や試合中は、凄く気が立ちやすい。それが欠点でもあるんですけどね」 (第3回につづく) (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)