父親が法廷で語った田村瑠奈被告の精神構造「死んだ瑠奈の身体をシンシアという人が借りている状態が10年以上続いていた」【ススキノ首切り裁判】
事件直前、SMプレイの練習をさせられていた修被告
事件直前の6月25日に、瑠奈被告はクラブで知り合った被害者とは別の男性とホテルに行ってSMプレイをしていたことも明かされた。 ――あなたは娘がその人とSMプレイすることをどう思っていた? 「手放しで喜ばしくはないが、許容していた」 ――一般的な考え方ではないが、どうして許容した? 「内心は父として不安、心配はあったが、(瑠奈は)社会的に何も関心がなく、閉じ籠っていて、『こんなつまらない人生、早く終わらせたい』と言っていた。本人が社会と繋がりたいと思ったのであれば、こちらもしたいことを許容したいと思った。 自宅で練習相手もさせられていたとも明かした。 「自宅のリビングで(瑠奈から)真ん中に『正座して』と言われた。手を後ろにして、目を閉じて、と。『手錠と目隠しをしていると思ってそこに座って』と言われた。 ――実際にはしてない? 「手錠とアイマスクはしてないが、そのイメージをしてくれと」 ――その後は? 「目を閉じていると、後ろからモゾモゾする気配を感じて、スカーフで頬や首筋を触る感じがあった」 ――その時、あなたと瑠奈被告の格好は? 「服は着ていた」
「逮捕される日まで穏便に時間が過ぎるのを待ちたかった」
頭部の損壊場面の撮影を止めなかった理由についてはこう答えた。 「その時の記憶がけっこう曖昧で、はっきりと思い出せないが、やめなさいと言っても、やるだろうと思った。咎めると本人の精神状態が悪化する。どうせ逮捕されると分かっていた。不穏当だがその日まで穏便に時間が過ぎるのを待ちたかった」 ――撮影を断れなかったのは、逆らうのが怖かったから? 「断ると本人が興奮する。怖いというより、本人の精神状態が壊れる方が心配だった。(断るのが)怖いという気持ちはゼロではなかったが、メインは本人が壊れていくのが忍びなかったから」 この日の尋問はここで終了し、8月30日に開かれる第3回公判に持ち越されることになった。 修被告は退廷する際、被告人席に座っていた浩子被告に目を向けた。浩子被告は目を真っ赤にして修被告の顔をしっかり見つめた。法廷から夫が去ると、妻は溢れ出る涙をハンカチで拭っていた。 前編〈法廷で再現されたグロすぎる死体損壊場面「カメラで撮影していると、瑠奈は眼球を手際良く切り抜いた」【ススキノ首切り裁判】〉では法廷で再現された、瑠奈被告が自宅で被害者の頭部を損壊する生々しい場面を伝えている。
デイリー新潮編集部
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