センバツ高校野球 中央学院 いつでも「2人がいる」 3人の「エース」 躍進支えた絆の継投 /千葉
昨秋の県大会予選の敗者復活戦から「下克上」を果たし、センバツ大会で4強にまで上り詰めた中央学院(我孫子市)。甲子園で4試合を継投で投げ抜いた3投手は「他の2人の存在があったから、ここまで来られた」と互いに感謝している。【林帆南】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 3人は、横手投げの臼井夕馬(3年)、187センチの高身長から投げ下ろす直球やフォークが強みの蔵並龍之介(同)、キレのある直球や変化球が持ち味の颯佐心汰(同)。 センバツ大会出場前に毎日新聞が選手たちに書いてもらった色紙の言葉は、臼井が「全力投球」、蔵並が「楽しむ」、颯佐は「日本一」で三者三様。周囲の評も「いつもニコニコ。探究心がある」(臼井)▽「マイペースだが、周りを盛り上げようとする人」(蔵並)▽「負けず嫌い。しっかりしていて、肝が据わっている」(颯佐)とそれぞれだ。 いずれも140キロ超の速球を投げられる。エースナンバー「1」は蔵並が背負うが、3人には信頼関係の上に成り立った共通認識があった。「マウンドに上がった時は自分がエース」 “絆”の始まりは昨年8月下旬、秋季県大会予選で四街道に敗北した時。チームがまとまりに欠ける中、その試合の翌日に3人が寮の一室で話し合った。「チームを勝たせるのがエース」。チームが一つになって戦うことの大切さを認識し合い「自分がダメな時でも(他の)2人がいる」と互いを信じてきた。 昨秋の関東大会はベスト8で、今回のセンバツ大会では「当落線上」にあるとされた。そうした中、見事出場校に選ばれ、学校として甲子園初勝利という歴史を刻んだだけでなく、4強にまで躍進できた理由の一つは3人の力投にあった。 準決勝突破の壁は厚く、切磋琢磨(せっさたくま)して成長し、挑んだ春は終わった。だが、まだ夏がある。準決勝後、臼井は「めちゃくちゃ悔しい。絶対に甲子園に戻り、チームに貢献できるピッチングをしたい」、蔵並は「大舞台で自分の持っているものを出せるように成長したい」、颯佐は「(甲子園で)4試合できたのは、周りに支えてくれる人がいたからで感謝したい」と語った。