ドジャース激震「じつは試合前から異変が…」山本由伸の右肩負傷は“スライダーが増えた”から? 大谷翔平がサポート約束も、ベッツまで離脱
原因はスライダーが増えたから?
日本では唸りを上げるストレートと独特の縦の変化を見せるカーブ、そして速く鋭く落ちるスプリットであらゆる投手タイトルを手にしてきた。アメリカに来てからの大きな変化を挙げれば、オリックス時代にはあまり投げていなかったスライダーの割合がかなり増えたことだ。 デビューしてからの1カ月間は全く投げていなかったスライダーを5月から投げ始め、白星がつくようになった。その割合はというと、5月最初のダイヤモンドバックス戦は全投球の3.2%(3球)だったが、ヤンキース戦では12.3%(13球)にまで増えていた。 日本の統一球よりも滑りやすくボールを握る力と研ぎ澄まされた指先の感覚が必要と言われているメジャー球。オリックス時代よりも短い登板間隔の中でローテーションを回していくという条件もクリアしなければいけない。初めての経験が続く中での新たなトライとなるスライダーを交えた打者への配球。今回の症状の原因としては手首から上腕の捻りを使いながら投じるスライダーの割合が増えたことによる影響、そして短い間隔の中での登板数による肩の酷使が考えられる。 先輩である大谷は16日の試合が終わった後、「自分と向き合いながら必死に努力する姿を見てきているので、僕の経験からできる限りのサポートをしたい」と慮った。 完全無欠を誇った“4冠投手”が初めてぶつかったMLBの壁。ロバーツ監督は数週間のノースローを発表し、これで前半戦の登板はほぼなくなった。このニュースは17日に死球を受けて骨折したムーキー・ベッツ内野手の離脱ともに大きなニュースとして扱われている。 常勝軍団ドジャースのエースとなるために訪れた最初の試練を、山本は如何にして乗り越えるか。 高校時代、内野手から投手に転向し、様々な工夫を凝らしながら自らの感性で作り上げ、上り詰めてきた「山本由伸」という珠玉の作品。大谷がスイーパーという魔球にたどり着き、打者と投手をこなすペースに順応してきたように、山本も彼にしか投げられないスライダーを作り上げ、それに耐えうる肉体とメカニズムを生み出していくしかない。 山本由伸だからこそ、期待できる部分は大いにあるのではないだろうか。
(「All in the Next Chapter」田中大貴 = 文)
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