米メディアもイチロー入団を話題「不老」「異なる側面」「子供世代が歓迎」
ヤンキース時代を過ごしたニューヨーク・ポスト紙は「マリナーズが不老のイチローを戻したのはなぜか?」との今回の古巣復帰の分析記事を掲載した。 「イチローの願いが叶った。6年近くの時を経てイチローは慣れ親しんだ球団に負傷者が続出したため、その外野陣補強のために復帰した」と説明。 150打席をクリアした場合の年俸が95万ドル(約1億円)で、以降、50打席増えるごとに20万ドル(約2200万円)の出来高払いがつき、400打席に達すると25万ドル(約2750万円)がプラスされ、最大約2億2000万円となる契約内容を紹介した。 アリゾナ・ピオリアでのマリナーズのキャンプ地のクラブハウスでは、さっそく外野手のカーク・ニューエンハイスと、レギュラー遊撃手のジーン・セグラの間にイチローのロッカーが置かれ、ピオリア・スポーツ・コンプレックスのチームショップでは、すでに(イチローの)シャツが置かれ、イチローの51番のジャージの商品化が進められているという。 USAトゥデイ紙は、チームの歓迎ぶりを紹介した。 「イチローは、もう殿堂入り(確実の)選手としてのキャリアを築いた6年前のシアトル時代のようなスター選手ではないのかもしれない。だが、彼は自分の子供と同じような年齢のチームメートに2001年(最初の入団時)にあったような出迎えを受けた」 記者会見後にイチローがクラブハウスに戻り、懐かしいユニフォームに袖を通すと、チームメートは、まるで、マイク・トラウトとブライス・ハーパーを同時に獲得したかのような反応を示したという。 ディー・ゴードンが『イチロー!イチロー!』と音頭を取り、マリナーズのファンが、イチローが練習場に現れるのを心待ちにしていた様子が伝えられた。 同記事は「オールスター選手のフェリックス・ヘルナンデス、ロビンソン・カノ、ネルソン・クルーズが、まるでイチローの代役の歌手に格下げされたかのようだった。そして彼らはそれを好んでいた」と表現した。 また大谷翔平との対戦について質問されたイチローの「できれば僕もピッチャーで対戦したい」というコメントと、その際、会見場が大きな笑いに包まれたことを伝えた。 そして「たとえ1年間を通してプレーしたとしても、イチローの最後のシーズンとなりそうだ。大リーグのすべてのチームは、彼の獲得を避けていた。マリナーズも同様だったが、負傷者が続出して事情が変わり、彼は古巣にもう1度戻ることになった」と、2018年限りの引退説を持ち出したが、その一方で背番号「51」に触れて、矛盾する見解も同時に記した。 「マリナーズはイチローの背番号51を彼がチームを去った後も誰にも与えなかった。この背番号は、殿堂入りしたランディ・ジョンソンも付けており、イチローが引退する日が来れば必ず永久欠番になるだろう。だが、それは、まだ先かもしれない。50歳までプレーしたいと常に言っていたイチローは、この日、『最低50歳までと言っているので、そこは誤解しないでほしい』と話した。彼がシアトル復帰を果たしたように、どんなことでも彼には可能なのだ」。44歳イチローの挑戦の行方に全米が注目している。