久保建英が「優れた選手」から「最高の選手」になるために必要なこと 長年見てきたマジョルカ番スペイン人記者の見解
【浅野拓磨はマジョルカで欠かせない存在に】 日本代表での経験や、ブンデスリーガやセルビアでのプレーで成長した国際的な選手である浅野は、「マジョルカに希望を与え、今のメンバーに変革をもたらせた選手のひとり」である。 浅野はこの夏、騒がれることなくひっそりと、チームに貢献するためにやって来た。彼が主戦場とするウイングは、アラサテ新監督のプレースタイルを最も象徴する重要なポジションだ。ラ・リーガ6試合で早くもその質の高さを見せつけ、存在感を示している。プレシーズンのパルマ市長杯ボローニャ戦で決めた絶妙なコントロールからのファインゴールに、評論家やアナリストたちからため息がこぼれていた。 勇猛果敢なドリブラーで、ボールタッチに非常に優れ、前線でムリキとコンビを組み、早くもアシストを提供する欠かせない存在になろうとしている。 また、浅野について最も重要なのは、その適応力の高さである。レアル・ソシエダ戦後には「このチームはとてもやりやすい」と居心地のよさを語っていた。これは、カリスマ性を発揮する選手なら誰でも歓迎するサポーターを持つマジョルカに、即座にフィットできたことを理解するカギのひとつである。 一方、浅野の欠点は、おそらく持久力にありそうだ。特に試合の後半に入ると体力が底をついてしまう点は彼の限界を示す兆候であり、クリアすべき課題のひとつと言える。 (髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
アルベルト・エルナンド●取材・文 text by Alverto Hernando