国籍、年齢、結婚の有無……アメリカの「採用面接」で絶対聞いてはいけないNGワード
---------- さまざまなバックグラウンドを持つ人が共存するアメリカでは、採用面接で聞いてはいけないことが多いという。人種や年齢、性別、見た目で採用・不採用を決めるのは「差別」にあたるため、NGワードが多数あるのだ。ニューヨーク在住ジャーナリスト・編集者で、自身もアメリカで採用面接を受けた経験のある安部かすみ氏が、日本人が知らないアメリカの面接事情を伝える。 ---------- 【写真】小室圭さんの様子がおかしい…2年前とはまるで別人
かつて採用面接で受けた驚きの質問
筆者が大学生だった90年代、日本の政令指定都市にある某企業で受けた採用面接で終盤、年配の男性面接官から唐突にこのような質問を受けた記憶がある。 「父親の勤め先は?」 当時、採用面接自体に慣れていなかった筆者は素直に答えたが、そんな私でも「なぜそんな質問をするのだろう?」と不思議に思った。そもそも父親の仕事は縁故採用でもない限り関係がないはずだ。現代ではこの質問は「面接NGワード」の一つであろう。 気心知れた友人・知人同士のカジュアルな会話であればなんら問題のない質問でも、いざ採用面接となれば事情は異なる。 筆者は結果的にこのような常識を逸脱した会社とはご縁がなく(感謝! )、その後「この会社で何をしたい?」「あなたならどんな本を作りたい?」と質問してくれた出版社と縁があり、編集者として採用された。 2002年以降、筆者はさまざまな人種や民族、バックグラウンドを持つ人が共存するアメリカで生活している。20年以上が経過し、年齢やキャリアと共に採用面接の場数もそれなりに踏んできた。また採用面接でなくとも記者たる者、質問というのはどんな場でも「なんとなくしちゃダメなんだ」ということも学んできた。 アメリカ生活約20年の間に、数年間出版社で働いた筆者はそこに就職するまで、またその企業を退職後もいくつか採用面接を受ける機会があった。 そもそもの話だが、アメリカでは履歴書(レジュメ)に年齢や顔写真を貼る項目はない。アメリカでは人種や年齢、性別、見た目で採用・不採用を決めるのは「差別」と見なされるため、そのような質問は違法だ。 よってレジュメに生年月日や年齢、性別などの情報を書くことは決してないし、顔写真もつける必要はない。 では何をレジュメに含めるのかと言えば、名前、住所やメールアドレス、学歴や職歴などの仕事に必要な基本情報で、カバーレター(アピールのためにレジュメに添える手紙)を付けて提出する。