湖東記念病院事件・国賠訴訟 取り調べ警察官の上司が証人に
BBCびわ湖放送
患者の死亡をめぐり、再審無罪となった元看護助手の女性が、国と県に国家賠償を求めている裁判。大津地裁では30日、当時、取り調べを行った警察官の上司であり、実質的な捜査責任者の男性が証人に立ちました。
元看護助手の西山美香さん(44)は、東近江市の湖東記念病院で入院患者を殺害したとして、懲役12年の刑を受け、服役した後、2020年、やり直しの裁判=再審で無罪が確定しました。
この日の国賠訴訟で、被告である県側からは、再審で新たな証拠ともなった患者が死亡した原因が「痰詰まり」による可能性が示された捜査報告書が、検察に送致されていなかったことについて質問が出され、取り調べ警察官の上司だった男性は、「当時、その報告書は認識していない」としながらも、「メモ的なもので、内容が不正確だったので、送致しなかった」と答えました。 原告の西山さん側からも、この報告書が送致されていなかったことについて、誰の判断によるものかと追及があり、男性は「私の考えです」と述べました。 また、取り調べを行った警察官への指示については、「担当は、私が決めた。西山さんは、感情の起伏が激しいから十分留意をするように」指示したと話し、最後に、「再審無罪判決になり、捜査責任者として改めることはあるか」と問われると、「特に思いあたることはない。当時、できることは最善を尽くした。」と答えました。 国賠訴訟、次回は、6月27日に、西山美香さん本人が証人に立つ予定です。