災害時の事業継続を支援する民間施設「BCPパーク」がオープン 高松市【こつこつ防災】
KSB瀬戸内海放送
防災の話題を伝える「こつこつ防災」です。災害などが起きた場合でも、企業が活動を続けられるよう支援する民間施設が香川県高松市にオープンしました。 【写真】マイクロバスの中にオフィス機能を備えたBCPカー
高松市に5月オープンした「BCPパーク」です。「BCP」とはBusiness Continuity Planの略で「事業継続計画」を意味します。 その名の通り、地震などの不測の事態でも企業が事業を継続するために役立つの設備を展示・販売しています。保険代理店業を行う会社が、約1億円を投じて5月末にオープンしました。 マイクロバスの中にオフィス機能を備えた車「BCPカー」です。 (記者リポート) 「約20人乗りのマイクロバスを改修したこの車、後ろのスペースでは仕事をしたり、組み替えて寝泊まりすることができるようになっています」 バスの助手席には10kWの蓄電池を搭載していて、業務に必要な複合機、Wi-Fiルーター、冷蔵庫などを動かすことができます。バスのルーフ部分には太陽光パネルも設置しています。 さらに、90L分の水を積むことができるほか、シンクやコンロ、トイレも搭載しています。 「BCPカー」の販売価格は約2000万円で、3年以内に年間10台以上の販売を目指しているそうです。 ほぼ紙でつくられた仮設トイレです。簡単に持ち運びできるほか、普段は折りたたんで収納できます。販売価格は50万円です。 免震構造になっていて、地震の揺れからパソコンなどの機器を守ってくれる装置もあります。 (11ネット・インシュアランス/礒村安倫 社長) 「(災害が)来ないじゃなくて来るという上で考え、どうやったら地域住民と一緒になって絆を深めて守れるか、どんどん情報発信できたらいいと思っています」 気象庁は南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率を70%から80%としています。 一方、調査会社の帝国データバンクが2023年全国の1万1420社を対象に行った調査によると、BCPを策定している企業の割合は18.4%でした。「策定中」や「策定を検討している」という企業を含めても48.6%にとどまっています。 策定していない理由は「必要なスキル・ノウハウがない」「人材を確保できない」などが挙げられています。 (11ネット・インシュアランス/礒村安倫 社長) 「311の東日本大震災で友だちの要請で、お手伝いに約1年間通ったんですよ。知識では人の命は救うことはできない。人の命は知識プラス経験、そしてそれが知恵になる。情報発信基地にBCPパークがなればいい」
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