第3回 東京ジャイアンツ(巨人) vs 大阪タイガース(阪神)|「対決」で振り返るプロ野球史
茂林寺の猛練習で巨人再生
▲巨人の3巨頭。右から藤本定義監督、三原脩助監督兼内野手、水原茂内野手。巨人は最後に実力を発揮した
第2回では、現在につながるプロ野球は、7球団でスタートしたが、アメリカ帰りの有名選手をそろえた東京ジャイアンツ(巨人)が、意外に弱く、夏のシーズンが終わるまで、その実力を見せることができなかったことを書いた。 巨人監督の藤本定義は、そこで群馬・館林の茂林寺で選手が血ヘドを吐くほどの猛練習で絞り上げ、秋に備えさせた。この伝説の茂林寺キャンプ、期間にして10日足らず(36年9月5日~13日)。技術を磨くというよりは、精神面をたたき直す、という意味合いが強かった。藤本は助監督の三原脩に向かって「このままではジャイアンツの選手は選手のクズ、人間のクズになる」とまで極言した。指揮官のこの危機感を、選手がしっかり受け止めてくれれば、このキャンプは成功なのだった。 マージャン、花札、タバコはダメ。グラウンドに水はなく、レモンだけ。選手たちは不平タラタラだった。しかし、藤本の、一塁手から遊撃手にコンバートさせようとしている白石敏男への猛ノックを見て震え上がった。まさに1000本ノック。白石は、最後は・・・
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週刊ベースボール