動物園のコンセント80カ所以上を「黒いテープ」で塞ぐイタズラ…どんな罪に問われる?
静岡県河津町にある2つの体験型動物園で、コンセントにテープが貼られる「被害」があったと報じられています。 【画像】体験型動物園の様子 FNNプライムオンラインによりますと、合わせて80カ所以上のコンセントが黒いテープで塞がれるなどしていたということです。園長は「イタズラの範疇を超えている」と話しているそうです。 動物園側はすでに警察に「被害届」を出したということですが、このような迷惑行為はどのような罪に問われるのでしょうか。冨本和男弁護士に聞きました。
●器物損壊罪に問われる可能性がある
器物損壊罪(刑法261条)や威力業務妨害罪(刑法234条)に問われる可能性があります。 器物損壊罪は、他人の物をわざと損壊した場合に成立する犯罪です。損壊とは、広く物本来の効用を失わしめる行為をいいます。要するに「使えなくする」ということです。 今回のケースでは、動物園のコンセントがテープで塞がれており、コンセントを利用できないようになっていますので、コンセントを「損壊している」といえると思います。 もし器物損壊罪にあたる場合、法定刑として、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処されることになっています。
●威力業務妨害にも問われる可能性がある
威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害した場合に成立する犯罪です。 威力とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を用いることをいいます。人が作業を続行しようとするのに躊躇を覚えさせるような行為です。 今回のケースのように80カ所以上のコンセントが黒いテープで塞がれていれば、通常の人であれば、コンセントを使っても大丈夫かどうか不安を覚えると思われるので、威力を用いたといえるのではと考えます。 もし威力業務妨害罪にあたる場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。 【プロフィール】 冨本 和男(とみもと かずお)弁護士 法律事務所あすか 債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。