長年〝塩漬け〟米原駅東口の公有地、開発事業者決まる 滋賀唯一の新幹線停車駅
滋賀県内唯一の新幹線停車駅に隣接する好立地で、長らく〝塩漬け〟になっていたJR米原駅東口の公有地(約2・8ヘクタール)の開発事業者が決定した。電子部品メーカー「湖北工業」(同県長浜市)を代表とする5社グループで、公募型プロポーザルを進めていた米原市と県が発表した。25年間にわたり空き地になっていた土地開発事業が、ようやく一歩踏み出した形だ。 【エリアマップで見る】米原駅の市有地と県有地 公募型プロポーザルに応募したのは5社グループのみで、横山幸司・滋賀大学経済学部教授を委員長とする審査委員会が昨年11月~今年5月に3回、会合を開いて審査した。 事業コンセプトは「湖畔の魅力と未来の拠点 米原イノベーション・ビレッジ構想」。研究・製造施設などが入る「グローバルビジネスゾーン」や、ソフトウエア開発施設などの「イノベーションゾーン」など5ゾーンで構成され、商業施設や分譲マンションなども計画している。 5社グループは事業用地約2・8ヘクタール(市有地約1・4ヘクタール、県有地約1・4ヘクタール)を13億円で購入。来年春にも着工し、3年以内の完成を目指す。 県有地の南隣では県東北部工業技術センターの新築計画(令和8年度開業の予定)が進んでおり、相乗効果による一大産業拠点を目指す。 5社グループの分担は、湖北工業が研究・製造施設▽アウトドア用品メーカーの「ナンガ」(同県米原市)が本社オフィスやショールーム▽IT企業の「日本ソフト開発」(同)がソフトウエア開発施設▽住宅商社の「ハヤシ」(同県彦根市)が商業施設▽総合デベロッパー「マリモ」(広島市)が分譲マンション-をそれぞれ担当する。 審査委員会は、県東北部を代表する企業による協力体制を評価。計画の内容については100点満点で71・5点だった。委員会は講評で「『滋賀の東の玄関口』にふさわしい『にぎわい創出』『地域交流』に関する提案の建設計画への反映について、今後さらなる検討が進むことを期待します」としている。 市によると、今回の予定地は、もともと旧国鉄の操車場で、県と旧米原町が平成11年、旧国鉄清算事業団から購入した。