予想外の大差否決 英国は「合意なき離脱」に突き進むのか
「合意なき離脱」に陥る条件は?
なお、弊社の欧州担当は「合意なき離脱」が起こってしまうシナリオを以下の3つとしており、これらが現実のものとなれば、リスク回避姿勢が強まる公算が大きいと考えられます。 (A)メイ首相が退陣し、合意なしで構わないと考える強硬離脱派が後継党首に就任する。 (B)協議期限の延長をめぐって、英国とEUとの協議が暗礁に乗り上げる。 (C)協議期限直前の議会採決で票を読み誤り、政府や議会の予想に反して合意や協議期限の延長ができずに協議期限を迎える。 金融市場は、今回の結果を冷静に受け止め、株価下落などのネガティブな動きは観察されませんでした。一部では、離脱協議が難航すればするほど「EU残留」の可能性が高まるとの見方もあるようです。もっとも「合意なき離脱」の可能性が消えたわけではなく、また離脱協議の長期化による経済の混乱も懸念されます。英国のEU離脱をめぐっては「要警戒」の状態が続きそうです。
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