プーチン大統領がアゼルバイジャン機墜落について謝罪 原因には触れず
プーチン大統領がアゼルバイジャンの旅客機墜落を巡り謝罪しました。事実上ロシアの責任を認めた背景には、何があったのでしょうか。 【画像】アゼルバイジャン機墜落が日本に及ぼす影響とは
■当初は「バードストライク」指摘も…
プーチン大統領 「ロシアの上空で起きた悲劇的な事案について謝罪し、改めて犠牲者の家族に深く心から哀悼の意を表し負傷者の一刻も早い回復を願う」 プーチン大統領が、アゼルバイジャンのアリエフ大統領と電話で会談し、謝罪しました。 プーチン大統領 「当時、ウクライナの無人航空機に攻撃されていて、ロシアの防空システムが撃退した」 防空活動が墜落の原因であるとは直接発言はしませんでしたが、事実上、ロシアの責任を認めた形です。 クリスマスに起きた悲劇。乗員乗客67人のうち、これまでに38人が死亡しました。 旅客機はアゼルバイジャンのバクーからロシア南部のチェチェン共和国・グロズヌイに向かっていましたが、予定の飛行ルートを大きく外れカザフスタン西部の空港近くで墜落しました。 ロシア当局は当初、墜落の原因についてバードストライクの可能性を指摘しました。 ロシア航空局(25日) 「鳥と衝突したようだ」 しかし、機体には無数の穴があり、ロシア側の攻撃で撃ち落された可能性があると伝えられていました。 生存者 「離陸から20~30分後に爆発があり、旅客機は予定通りに着陸しませんでした。何かが2回爆発した。ある男性は手を負傷し、私たちは大混乱でした」 旅客機が向かっていたロシアのチェチェン共和国では当時、ウクライナ軍がドローン攻撃を行っていました。その2日後、ロシア当局は改めて声明を発表しました。 ロシア航空当局の声明(27日) 「当時、ウクライナによる無人航空機があり、チェチェンの領空は閉鎖されていた。他の空港への着陸を提案したが、機長の判断でカザフスタンへ向かい、墜落した」
■専門家「航空業界にさらなる負担」
あくまで責任を否定していたロシアでしたが、急転直下、日本時間の28日になってプーチン大統領が謝罪した背景には何があったのでしょうか。 明海大学 小谷哲男教授 「ウクライナがドローン攻撃を仕掛けなければ、こんなことは起こらなかったと責任をウクライナになすりつけるのが今回のプーチン大統領の狙い。当初は鳥がぶつかったとか、霧が濃かったとか言い訳していたが、もうこれは言い訳ができないということになったのだと思う」 この影響は日本にも及ぶ可能性があります。ウクライナ侵攻の前までは、ロシア上空を飛んでいた日本やアジアなどとヨーロッパを結ぶ航路。しかし侵攻が始まってからは、ロシアを避けて、主にカスピ海上空を飛行していました。 小谷教授 「今回の事態を受ければ、やはりカスピ海周辺をさけて通らなければいけなくなると思うし、そうなればさらに時間もかかるし燃料も多くかかる。航空業界にとってはさらなる負担が増すことになると思う」 (「グッド!モーニング」2024年12月29日放送分より)
テレビ朝日