吉川愛“まひる”壮絶な過去に絶句…佐野勇斗“広海”の心を救う名言とは? ドラマ『マイダイアリー』第3話考察レビュー
毎週日曜夜10時より放送中のドラマ『マイダイアリー』。本作は、清原果耶が演じる、社会人になった主人公・恩村優希が、大学時代を振り返り、何気ない日常や仲間との繋がりをノスタルジックに紡いでいくヒューマンドラマ。さっそく、第3話のレビューをお届けする。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】吉川愛の表情に惹きつけられる…。貴重な未公開カットはこちら。ドラマ『マイダイアリー』劇中カット一覧
まひるが歩んできた複雑な人生
他人から見ると恵まれた人生を歩んでいるように見える人の中にも、重い荷物を背負っている人は少なくないと思う。『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)3話では推し活にのめり込むまひる(吉川愛)の悲しい過去が明らかになった。 まひるに対して、明るく、おしゃれで、推し活ブームにのっているイマドキの大学生という印象を抱くのは筆者だけではないはずだ。 彼女は裕福な家庭で育ち、両親からも愛情を注がれている。そんな彼女がのめり込んでいるのはFIRST SENSEというメンズアイドルのメンバー・RIM様(RIM)だ。まひるがRIM様のライブイベントにひとり足を運び、熱心に応援するシーンを見てもわかるように、RIM様の存在はまひるにとって生きがいとなっている。 愛莉(見上愛)が「いろいろ複雑なんだよ。推しのある人生っつうのは」と優希(清原果耶)に言ったように、推し活にのめり込む人の中には複雑な問題を抱える人は少なくないと思う。実際まひるは、小学4年生のときに仲良くしていた男の子とその父親に騙され、誘拐されて以来、誰かと仲良くなることが怖くなってしまった。
推しからは得られない「あくび」ができる安心感
孤独を抱える人や、心のスキマを推し活で埋めようとしている人。推し活には辛い現実から身を守る側面がある一方、特に最近、推しとの関係に悩む人は多い。 推し活には、相手に愛情を一方的に注ぐというもどかしさがあるものの、周囲とリアルな関係を築くよりも勇気は必要ないように思う。まひるがRIM様の引退で落ち込んだように推しの都合で傷ついたり、ときには裏切られたと感じたりすることもある。 そうはいっても、推しとファンの間には一定の距離があるからこそ、直接的な言動で傷つけられることはないし、明確な原因がわからず関係性が薄れてモヤモヤすることもない。 筆者もまひるのように推し活に励んでいるが、心のスキマを推しの存在でうめているという自覚がある。推しがキラキラと輝く姿を見ている間は日常の不安を忘れられるし、推しのコンテンツやファン向けのメッセージを見ていると誰かとつながっているように感じられるからだ。 とはいえ、推しは優希と愛莉がまひるにしたように「大丈夫?」と心配して声をかけてくれないし、「帰ろう」と手を握ってくれることもない。また、まひるは信頼でき、無防備になれる人の前ではあくびができると言うが、推しの前であくびができる人は少ないはずだ。 まひるの推しであるRIM様は家庭の都合で引退したが、まひるは彼の引退と引き換えに「心のふるさと」を得た。まひるにとって愛莉、優希、広海(佐野勇斗)、虎之介(望月歩)はあくびができるほど心許せる存在なのだ。 まひるはRIM様との握手は叶わなかったが、まひるの代わりにRIM様と握手をしてきた虎之介と握手できた。まひるは彼の手にRIM様の手からは感じられないだろう愛情を感じたのではないだろうか。