残業は効率が悪い…コスパを求める新人が我を突き進んだ先に起きた事件とは

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は「今どきの若いモンは」(Cygames)から、効率を求めるあまりに大切なものを見失っている新入社員の話『コスパしか考えていない新人が失敗する話』をピックアップ。 【漫画】コスパの良い仕事だけしたい新人、上司の声かけをスルーした結果…「1番困るタイプ」と反響 作者の吉谷光平さんが12月8日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、9000件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・吉谷光平さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 ■「ソレ、コスパ悪すぎじゃないっすか？」と我を貫く新入社員…その姿に読者「こういう人いるよね」と共感 社会人2年目の麦田は、新入社員の金松と取引先の田貫商事に来ていた。なかなか話を聞いてもらえない麦田は、もっと通って新規取引を取れるよう頑張ろうと金松に言う。すると、金松は「メールで済む話なのに、コスパ(コストパフォーマンス)が悪い」と答え、コスパよく成果を出したいため、信頼関係を築くといった古いやり方の仕事は困ると続けた。2人が会社に戻ると、同じく新入社員の服部から質問攻めにされている社員の舟木と出くわす。麦田が服部の圧に押されていると、金松は定時だから帰ると言う。もう少しだけ田貫への提案資料を作ろうと誘うものの、残業は効率が悪いと一刀両断し、帰ってしまった。金松が言った定時で帰るのも、効率の良い仕事を望むのも間違ったことではないが、自分の過去を振り返り、何か違うとそれを言語化できない自分にモヤモヤしていた。 ある日、金松は雑用のような仕事に嫌気がさしていた。渡された顧客情報のリストも古く、相手にしてられないと思っていた。そこに、麦田から「お願いした田貫商事の納品確認大丈夫だった？」と声をかけられる。完全に忘れていたものの少しくらい遅れても平気だと思い、「大丈夫でした」と答えた。その後他の仕事を頼まれ、そのままお昼休憩に入ると、服部が新規取引を1件取ってきたと報告された。その後、麦田、金松、服部でお昼ごはんに行くことに。麦田が服部にどうやって仕事を取ってきたのか問うと、渡された過去の顧客リストを元に片っ端からアポイントを取っていたことが判明した。可能性の低いものばかりがリストされている過去の顧客リストから新規取引を取るのは容易くなく、服部の失敗を恐れず行動する強い姿に麦田は感心を隠せなかった。一方金松はジェラシーを爆発させ、捨て台詞を吐く。その聞き捨てならない言葉に麦田は怒りをあらわにし、空気は一気に気まずいものとなったまま会社に戻ると、大問題が発生していた。 コスパを求めるあまり、大事なことを見落としている金松とそれにモヤモヤする麦田の2人の話に「こういう人いるよね」「若い時あるある」と共感を呼んでいる。「コスパ以外を疎かにすると悲劇の引き金」「コスパを求めて失敗したらコスパの悪いこと」と仕事の効率や進め方に対して改めて振り返る読者もいた。 ■コスパだけを気にした新入社員の結末に考えさせられる本作　作者・吉谷光平さんに創作への想いを語っていただいた ――『コスパしか考えていない新人が失敗する話』を創作したきっかけをお教えください。 自分の新人サラリーマンの時の失敗を描いたら共感できる面白い話にできるかも。と思って作りました。 ――読者から「話がリアル」との声が寄せられていますが、何か意識していることはございますか。 自分のサラリーマン時代の経験や感情と、取材で教えて頂いた話を生かして描くこと。 その上で漫画的な面白さが無くならないように気を付けています。 ――本作に登場するキャラクターへのこだわりや、どのようにして生み出されたのかをお教えください。 主人公の麦田はこんな風にできたら良いなという理想や、面倒くさいけど気持ちのいい奴という点を意識しています。今回の金松君に関しては自分の経験や感情をオーバーに描きました。「サラリーマンなんてみんなできてるんだし、自分もできるでしょ～」と舐めくさっていたらボコボコに失敗しました。 ――本作の中で、特に気に入っているセリフやシーンがございましたらお教えください。 金松君編の最後の方の麦田のセリフで「人と人だから合理的じゃなくても、効率わるくても、それが一番近道な時もある」というセリフは好きです。 ――今後の展望や目標をお教えください。 サイコミではスーパー編が完結し、麦田がアラサーになり、新章に突入しました。もっともっと読者の皆様に楽しんでもらえる漫画になるよう頑張ります。 ――最後に楽しみにしている読者やフォロワーさんへメッセージをお願いいたします。 今後とも「今どきの若いモンは」をよろしくお願いいたします！