汗が止まらないのは多汗症? 更年期・自律神経の乱れ? チェックリストで確認を
汗が止まらない多汗症状の人が病院を受診したときの診察の流れとは? 病気と診断された後の治療の流れも紹介
編集部: 多汗症状が気になる方が病院を受診した時、診察はどのように進められるのですか? 山本先生: 医療機関によって違いはあると思いますが、例えば当院では、まず多汗症治療について知っていただくための「多汗症教室」に参加していただいています。 インターネット上に載っている多汗症の情報には、健康保険が適用されない手術の解説も多かったりするので、「交感神経節切除術」(保険適用)の正しい説明を行います。 編集部: 「多汗症」と診断された場合、どのように治療が進められるのですか? 山本先生: 例として手のひらの多汗症の治療なら、外用薬(アポハイドローション・塩化アルミニウムの塗り薬)・手のひらへの通電療法(イオントフォレーシス)・内視鏡手術(胸腔鏡下胸部交感神経節切除術:ETS)の3つの方法があります。 編集部: もう少し詳しく教えてください。 山本先生: まずは塗り薬で様子をみます。それで効果が感じられないようであれば、手のひらへの通電療法で皮膚における汗の出口である「汗孔」に対し電気的に炎症をあたえ、汗孔を閉塞させます。 それでも効果が見られなければ、発汗の中心的な役割をはたす「交感神経節」を切除する手術が検討されます。手術は、3~4mmというごく僅かな皮膚切開で行うことができ、日帰りで可能です。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 山本先生: 「多汗症」は、がんや脳卒中などと比べるとまだ正しい情報が伝わっていないと感じています。例えば、多汗症の手術も種類がいくつかあるのですが、医療機関によっては1つの術式しか選択できないところもあります。 そこで手術を行ってから、「もっとよい術式があった」と後悔しても遅い場合もあるので、ぜひ手術についての正しい情報を得たうえで、手術を受けていただきたいと思います。 とくに、手術を受けることで「代償性発汗」となってしまうケースがあり、注意が必要です(代償性発汗:手術部位の発汗が抑えられる代わりに、別の部位の発汗が増えてしまう副作用)。 もし代償性発汗にお悩みの方がいらっしゃいましたら、代償性発汗についての相談にも対応している多汗症専門のクリニックを調べて、ぜひ問い合わせてみてください。