節目の30年で活動に幕 11月に新組織設立へ 南信州アルプスフォーラム【長野県飯田市】
まちづくり団体「南信州アルプスフォーラム」(外松秀康会長)は13日、最後となる解散総会を長野県飯田市内で開いた。飯田青年会議所(JC)のOBを中心にまちづくりの提言活動を続けてきたが、発足30年目の節目となる2023年度末で活動を終了。今後は若い世代で後継の新組織を立ち上げ、11月に設立を予定する。 同団体は1994年、飯田JCが20年続けた「新しいまちづくり協議会」を発展的に解消して設立。飯田下伊那全体の発展に向け、住民参加による多様な研究や提言活動に取り組んできた。 丘の上を循環するチンチンバスの実証実験を実施し、市民バスの循環線の運行につなげた。「桜350年プロジェクト」を展開し、飯伊27カ所にエドヒガンザクラを植樹。特にリニア開通を見据えたまちづくりの研究に力を入れ、飯田市中心市街地の将来像などを提言した。 一方、最大で約70人いた個人会員は40人に減少して固定化し、運営役員が高齢化。4つあった部会が1つに減り、広域的な取り組みが不足するようになったことも踏まえ、2023年度の総会で、解散することを決めた。 一方、大きく変化する地域の将来を考えるまちづくり組織は必要との考えから、JCに後継の新団体立ち上げを打診。リックス(同市三日市場)社長の熊谷弘さんが代表となり、40、50代のJCのOBを中心に準備を進めている。6月中旬以降運営委員会を発足させ、11月に設立総会を開く予定。 外松会長は「多くは目に見えないものだったが、成果が見え、地域の土壌の肥料になった活動もあった。30年の活動が将来さらに生きていけば」とし、「殻を破って地域から多様な人を集め、新しい地域の姿を描き、具現化できる組織になってほしい」と期待した。