掛布雅之氏 孤立する4番・岡本の前後を丸と坂本で固めないと打撃の調子上がらない
◆JERA セ・リーグ 阪神3―0巨人(25日・甲子園) 優勝チームはシーズンを振り返ったときに「あの試合が大きかった」と言われるターニングポイントのゲームがある。巨人が戸郷のノーヒットノーランをそうするためには、最低でもこの3連戦での勝ち越しが必要。初戦の歴史的な力投で火がつかないチームの状態、特に得点力不足は深刻だ。 打線の並びがアンバランスすぎる。1、2番の丸、坂本の重たさに比べ、5番・立岡以下が軽すぎだ。初回、先頭の丸が中前安打を放っても、坂本は打たせるしか策のとりようがなく、結果は三振。2死二塁で岡本和にまわしたが、阪神バッテリーは四球OKの厳しい攻めで、三振に倒れた。5番打者が弱いため、岡本和が孤立してしまっている。どうしても強引な打席が増えるので打撃の調子が上がってこない。 そもそもの貧打の原因は開幕前に阿部監督がレギュラーと位置づけた門脇の不振。彼が何番であろうと機能していれば、ここまで苦しむことはなかった。門脇が復調するか、新外国人のヘルナンデスがうまくはまらないと、得点力は上がらない。今のメンバーで打線を組むなら、1番に吉川を置き、岡本和の前後は、順不同の丸、坂本で固めるのがベターだろう。 好調ソフトバンクは4番・山川を最大限に生かすための5番・近藤がはまった。巨人も1、2番が手薄になるのは目をつぶり、最大の強みである岡本和というカードを生かすための並びを考えるべきだ。(掛布 雅之)
報知新聞社